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聖なる夜のハプニング31

「…もはやあれに理解してもらうことは諦めた。会話するだけ無駄だ」
「ピュー。こーわっ。つっても、接触皆無は無理だろ?就職とかのモロモロさ」
「…就職はもう決まっている」
「うっそマジ?!!?」
政宗は驚きのあまりマグカップを落としそうになり、慌てて右手左手と持ち替えた。三成は、ふ、と薄く笑う。
「家康の師である秀吉先生の事務所にな。ちょうど私が卒業する頃に専属弁護士が定年を迎えるらしい」
「へぇ…ってことは、国家試験一発合格が条件?」
「奴らとは違い、結果を出す前から私に期待してくださっているのだ。それくらいはこなしてみせるさ」
「……でもお前、それでいいのか」
政宗の言葉に三成の手が止まった。三成は頬杖をついて自分を見る政宗に、柔らかく笑う。
「当然だ。……それだけ、私は秀吉先生に救われた」
「……、まっ、お前そうと決めると一途なとこあるもんな。まぁ頑張れよ」
「貴様も国連に入るのだろう。努力しろ」
「…誰から聞いたんだ…!!」



 「よっと…」
「やはり元親が一番腕力があるなぁ」
「そんだけmachoなんだからそうでなきゃ困るだろ」
「……戦国武将とは聞いていたが…大したスタミナだのぅ」
「お館様ァァァ!」
「仕事しろ虎ァー」
「うむっ」
同じ頃、伊達ら四人は仕事に精を出していた。元親と家康は暇だからか、事務所の2階のベランダから信玄と共にその様子を見下ろしている。
信玄は朝からずっと働き通しなのに全く音を上げない四人に感心したように呟いた。タブレットをいじっていた元親は肩をすくめた。
「本当、体力は馬鹿みたいにあるな」
「なー。ワシもあれくらいほしい…」
「えーお前どんだけキックするんだよ…」
「えーだって最近物騒だしさぁ。この前も大学であったんだよ、事件。ワシがナイフ蹴り飛ばした」
「…色々やってんなぁ」
家康はベランダの手すりにもたれかかり、下の様子を見ている。家康の視線の先には、暑くなったか長曾我部と似たような格好になっている徳川がいる。
「……」
「このままいてくれるとありがたいのだがのぅ、ははは!」
「オッサンその熱血を控えめにしたらもっと増えるって従業員」
「ぬぅ。無理を言うわい」
「無理なのかよ」
元親と信玄の会話を聞きながら、家康は徳川を見ている。
家康は元親とのやりとりで、何故石田が徳川を憎んでいるのかを知っていた。
「……裏切っ、た………」
手すりにかけている拳から、きし、と音がした。
徳川もようやくそんな家康の視線に気がついたか、顔をあげた。家康ははっとしたように視線をそらした。
家康の所作に徳川は首をかしげたが、なんとなく察したのか表情が固くなった。
「?どうしたー家康」
「え?いや、なんでもないよ」
「Haーーーっ!!」
「うおおおらぁぁぁああああ!!」
「お主らァァ!商品は丁寧に扱わんかァ!」
「うっるせーははは」
ぎゃーぎゃーとうるさい応酬のなか、家康はくるりと体の向きを変え、手すりに背中をもたれかけた。
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