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聖なる夜のハプニング33

休憩していたところと正反対の、ちょうど工場の正面の方に出た頃、ブオォ、と派手な音が聞こえた。
そちらを見やれば、バイクに跨った政宗と三成がいた。三成は後部から飛び降りると被っていたヘルメットを政宗に投げ、徳川たちには目もくれず工場へ飛び込んでいった。
投げられたヘルメットをキャッチした政宗は、ちら、と四人を見た。
「…何事?チカから来たライン、やべぇとしか書いてなかったからバイク飛ばしてきたんだけど……」
「…Ah …俺も気がついた時にゃもうやりあってたからな、よく分かんねぇ」
「………彼女はよほど三成のことを愛しているらしい」
「はぁ?」
ぽかんと間抜けた声をあげた政宗に、徳川は自分が出てきたところを振り返った。そして、困ったように顔を歪める。
「徳川家康という人間が、石田三成という人間を傷つけたことが、例え違う人間でも許せないらしい」
「…………」
「…………それは」
「…んなこと言ってもよ」
「……ま、取り敢えずアンタら混ぜたら危険てことはよく分かったわ」
政宗は小さくため息をつくと、バイクのハンドルにヘルメットを引っ掛け、三成の後を追った。伊達と真田は顔を見合わせ、政宗のあとについていった。
「……あー…あんま気にすんなよ、家康」
「……分かってるさ」


 「家康、どうした」
「………………」
「権現サンと喧嘩してたんだよ。しかも結構マジで」
「家康」
三成はほほを膨らませて背中を向ける家康に困ったように首をかしげながらも、肩に触れた。そのまま、軽く自分に引き寄せる。
「…どうしたんだ」
「……………」
「全く、こうなると何も言わないな。仕方ない、とにかく帰るぞ」
「…………三成」
「ん?」
「…………先生に会いたい……」
「……分かった、会いに行こう」
ぽつりと漏らした家康に三成は少し驚いたように目を見開いた後、優しくそう言った。家康は小さく頷くと、三成に肩を抱かれたまま立ち上がった。
その頃には到着していた政宗は、振り返った三成にヘルメット二つとキーを投げやった。
「ガソリン代、お前持ちな」
「満タンにして返す。行くぞ、家康」
それを受け取った三成は政宗の言葉にそう返し、家康を連れていった。
少しして、バイクが遠ざかる音が聞こえた。政宗のあとについて来た伊達と真田は顔を見合わせた。
「…よく分からないでござる……」
「Me too」
「なんだと思うよ?政宗」
「俺が分かるかよ。先生に会いたいなんて言うってことは、豊臣サン関わりじゃねぇの」
「豊臣?」
政宗の言葉に思わず真田と伊達は顔を見合わせた。その様子に政宗と元親も顔を見合わせた。
「…豊臣の山猿いんのか」
「山猿?!すげぇこというな…ってか、まだいんじゃねぇかよ関係者!なんで言わなかった、」
「既に敗れ、死んでおられるゆえ…」
「……へっ」
政宗は真田の言葉に間抜けた声をあげ、元親は大きく目を見開いた。思わずまた顔を見合わせる。
「…んだよ?」
「……ちなみに、誰に?」
「家康だよ」
「オーマイゴッド!!」
「もしかしてそれ家康が知っちまったんじゃねぇの ?!」
「?」
二人の反応に、今度は伊達と真田が顔を見合わせた。
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