スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

聖なる夜のハプニング23

「いや、うまく言えないんだけどさァ………取り敢えずあれだ、一番敵に回したくねぇ」
「!!」
「まぁ味方にいりゃよさそうな人だけどそこまでは思わねぇな俺」
「何言ってんだ、味方にいい奴ほど敵にいたら厄介じゃねぇか」
「……まぁそれもそうか」
「そ、そんなにか……?」
徳川は困ったように首をかしげながらそう尋ねた。伊達は呆れたように車の座席にもたれかかっている。背筋を伸ばして座っている徳川と違い、すでにだいぶ慣れたようだ。
「うん、なんかやったら10倍返しくらいされそう」
「やられたらやり返す。倍返しだ!」
「流行語乙」
「りゅ……?ワシ別にそんな事しないぞ…?」
「ほんとに?」
「………アンタらが言うようなことはねぇが、石田に比べりゃ人望があるのは確かだ」
「、独眼竜」
「人望か!人望はでけぇな…」
はー、と元親は感心したように声をあげた。政宗は小さく笑って肩をすくめる。
「確かに、凶王サン石田の嫌なところだけ詰めましたみたいな性格してるもんなァ、今んとこ」
「あ、それちょっと分かる。でも家康には謝ったらしいぜ?」
「謝るのが当然だろアレは」
「まぁそうだけどー」
「その口ぶりだと、あの石田にはいいところってのがあるのか?」
どこか楽しげな伊達の言葉に元親もにやっと笑った。
「おうよ、あいつは今どき流行りのツンデレだからな」
「石田はツンギレじゃねぇのか」
「男に対しては知らねーけど女子に対してはあいつ結構紳士だぞ、重い荷物持ったりとか。おまけに顔もいいし足早いし料理うまいし頭いいしでモッテモテ」
「マジかよ……」
政宗はうんざりしたようにそう呟き、女心はわからねぇと肩をすくめた。男性陣にはそこまで人望はないようだ。伊達はぶっ、と小さく吹き出し肩を震わせて笑っていた。
「でも、なんだっけ、凶王サン?はさ、その変皆無に見えたぜ」
「足は早いぞ。料理はしないから知らないが……」
「まぁ凶王サンのことをぐだぐだ言うのはやめようぜ、ここにいねぇんだし」
「まーそれもそうだけどなー。あ、政宗ここでいい、買い物して帰る」
「おー」
元親はショッピングモールを通り過ぎたところでふと思い出したようにそう言い、車から降りて行った。
伊達と徳川はショッピングモールに度肝を抜かれたか、ぽかんとしてそれを見ていた。
「…んだありゃ」
「ショッピングモール。要するに、商店街?」
「一つの建物に集約しているのか…!」
「便利だな…というより何階建てだ!城levelじゃねぇか」
「たかが4階で何言ってんだ…」
「たかが…たかがなのか……!」



 「はぁ…戦国武将、でござるか…」
「信じ難い」
「小生だって信じたくないところだ」
その頃、官兵衛同様バイトが入っていた幸村と、官兵衛に呼び出されたために来た元就に官兵衛が事情を説明していた。
むー、と幸村は制服に着替えながらぼやく。
「お師匠さまの話は多分オーケーだと思いまするが…それにしても、面倒なことになってしまいましたなぁ」
「全くよ。性別が違ったのがせめてもの救いか……それより先輩よ」
「あ?なんじゃ」
「いつにも増して景気の悪い顔をしているが、大谷先生に何か言われたか」
幸村同様制服に着替えていた官兵衛はぴたり、とその手を止めた。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2014年01月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31