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もうお前を離さない250

「な、な、ななっ?」
「別にそれ、普通だと思うぜ?」
「!!」
真田は猿飛の言葉に僅かに目を見開いた。猿飛はへら、とした笑みを浮かべる。
「きっとあの子も心配してるよ」
「…、そうだな」
「だからその為にも、この戦、勝たないとな?」
「…あぁ!」
幸村様ーッ!!と己を呼ぶ声を耳にした真田はそちらを見た後、猿飛に向き直った。そして、凛とした笑みを浮かべる。
「すまぬな、佐助!」
「いえいえーってね。敵襲の知らせか…さぁて、と、いっちょ頑張りますか!」
「おぅ!行くぞ佐助ぇ!!」
真田と猿飛はほぼ同時に地面を蹴った。



 「…、いつまでいるんです独眼竜…」
「今日はする事ねぇんだよ」
「鍛練でもすればいいじゃないですか」
太陽が真南に昇った頃、宮野は朝からずっと居座っている伊達に声をかけた。伊達はキセルを口から離し、ふぅと煙を吐き出した。
「組み手する相手もいねぇ」
「…貴方の背中に哀愁の色が見えます」
「見るんじゃねぇ…ってそんなもんあるか!何なんだアンタ、そんなに俺が嫌いか!」
「別に嫌いじゃないですよ。ただ同じ部屋に他人がいると落ち着かない質なだけです」
寝転がっていた宮野はそこで体を起こした。伊達は不服そうに宮野を睨んだ後、キセルを置いて立ち上がった。
「こんなんだったら俺も奥州に帰るんだったぜ。おい、宮野」
「はいー?」
「お前、刀は使えんのか?」
「…かじった事がある程度ですよ。小太刀サイズなら慣れてますが」
「小太刀か…まぁいい。俺の鍛練に付き合え!」
「……。っえーーっ!?いいんですかそんな事してー、私捕虜ですよー?」
宮野はそう言いつつも伊達が手枷を外してしまった為に立ち上がり、さっさか進む伊達の後についていった。
「お前だって何もすることなくて暇だろう?Aren't you?」
「まぁそうですけどー…。まぁいいか、手合わせ願います!」
「Ha!!そうこなくっちゃな!」

 「い、家康様ーッ!!」
「んん?何だ?」
部下の叫び声に徳川は卓上の地図から目をあげた。部下は慌てて徳川の元まで走ってくると膝をついた。
「ど、独眼竜伊達政宗様が…!」
「?独眼竜がどうかし「Fantom Dive!!」…あぁ、なんとなく分かった」
バリバリという空気を裂く音と共に聞こえてきた伊達の声に、徳川はやれやれと苦笑し腰をあげた。
 「YaーHaーッ!!」
「…テンション高いなぁ…。っとぉっ!」
「X-Bolt!!」
「あぁっ、も、う。一撃一撃重いなぁっ!」
容赦なく木刀六振を振り回す伊達に、宮野はぶつぶつ文句をいいながら小太刀サイズの木刀で受け流していた。だんっ、と強く地面を蹴り後ろに下がって伊達と距離を取り、左手の木刀を逆手に持ちかえて再び地面を蹴った。
真っ直ぐ一直線に伊達に向かう。振り下ろされた刀の切っ先ぎりぎりで宮野は走りを止め、木刀が振り下りきったと同時に消しきれなかった勢いを利用して空で宙返りをして伊達と木刀の間に入り込んだ。
「!Shit!!」
「とーるねーどっ」
着地した足を軸に、宮野はぐるりと左回りに体を回した。木刀が連続して伊達の肋にたたき込まれた。
「いでっ!」
「ぅわ。流石独眼竜。腹筋ぱねぇ」
今度は伊達が地面を蹴り距離を取った。宮野は手の木刀を見下ろした後伊達を見た。
伊達は宮野の言葉に首を傾げる。
「ぱねぇ?」
「半端ないを略した言葉ですよ」
「半端ない?…そうか?」
「前身の丈同じくらいの男に同じ事したら骨折れました」
「Ha!貧弱だな、その男は」
伊達は楽しそうにそう言うと木刀を構えなおした。
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