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見えないはずの右目が7

言葉を紡ぐ事が出来ずに小十郎は固まってしまった。

何を言えばこの少年の心を少しでも癒す事が出来るのか

何を言えば彼を支えられるのか。

まだ若い小十郎にそんな事は分からなかった。だが小十郎の口は、考えるより先に開いていた。それも、とても自然に。

「旅に出るときはぜひ、お供させていただきたいものでございますなぁ」

目をこれでもか、と言う程見開いた梵天丸が勢い良く振り返った。その表情に寧ろ、小十郎が驚いてしまう。そして小十郎は今言ってしまった事を思い出した。
「あ、いえ、その〜…」
ほとんど無意識の内に出ていた為、なんと言えばいいのか分からない。なんとか何言おうとするものの、小十郎はそんなに器用ではない。
「…昨日から、思ってたが」
「?」
「お前、変な奴だな」
「!!」
その言葉に少なからずショックを受けた。が。

「お前みたいな奴は初めてだ。…でも、嫌いじゃない」

そういって梵天丸はようやく微笑んだ。
その儚すぎる微笑みに小十郎は目を奪われた。そしてその微笑みは小十郎にある覚悟させた


何が起ころうとも、

何を敵に回したとしても


この人を、守りぬく、と。


「…でも嫌いだ」
「剥カ様でございますか…」
だがまずは梵天丸に信用してもらうのが一番の難関に感じた小十郎だった。
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