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葱と牛蒡とツインテール 後書

ええ…皆様…突如更新を途絶えさせ申し訳ありませんでした…orz

言い訳をさせていただきますと、あれです…映画の所を映画に忠実に作ろうとしたので台詞を引用するのに手間取りまして…そして七月には期末試験とか…八月にはボランティアとか…ありましてね……夏休みだというのに結局更新できたのがこんな日に…しかも最終話という…非常に申し訳ありませんでした………

それで、ですね。
今回のぐだぐだっぷりに、いっそのこともうやめたほうがいいのではないか??
と考えもしたのですが
更新していない間もたくさんの人にアクセスしていただいていたようで……
こんな中途半端には終わりたくない、と思い、これからも頑張って更新したいと考えております。

まぁ、ネタもつきかけているのですが…←おい

アクセスしてくださった方にはこの場を借りて感謝の意を述べたいと思っております。
本当にありがとうございます。

次の更新は…できるだけ早めに。始めたいと考えています。4の情報がちらちらと入っていますが、こちらはまだ手を出さないでおくことにします…ハイ



あ、そして最後に告知を一つ。
Pixivというイラストサイトに登録させていただきまして、一次創作作品を投稿することにしました。こちらはまだ一枚絵を上げているだけなのですが、随時増やしていく予定なので、興味があったらお越し下さい。

http://www.pixiv.net/member.php?id=6446866

葱と牛蒡とツインテール71

 

小十郎と政宗が帰ってきたのは、それから三日ほど経ってからだった。

小十郎の話によれば、政宗は信長との死闘が終わった直後、あろうことか幸村と全力でやりあったらしい。そのせいか、政宗は帰城するなりろくに武装も解かずに寝てしまった。
小十郎は布団もかぶらずに寝ているそんな政宗に重々しくため息をついた。しきは、その小十郎のとなりでくすりと笑う。
「…幸村と、やりあったんですよね?」
「ああ、よく分かったな。いや…知ってたのか」
「…ご無事で、なによりです」
しきは薄く笑うと、すす、と僅かに小十郎に寄り添い、こっそり腕を掴んだ。小十郎は疲れたように肩をすくめ、掴まれたのと反対の手でぐりぐりとしきの頭を撫でた。
「結局…三成はどうなったんですか?」
「さぁな。徳川の奴がどう動くのかにもよるが…ま、いずれまた敵対する事は確かだろうな」
「…乱世は終わってない、って事ですか」
小十郎はしきの言葉に小さく頷くと、政宗が寝ている部屋の襖を閉め、その部屋から離れた。しきはその小十郎の一歩後ろをついていく。
「…だがお前がそう言うって事は、お前はこの戦の終わりまでしか知らないんだな」
「!はい……」
「気が楽になったんじゃねぇか?」
小十郎の言葉にしきは驚いたように小十郎を見上げた。小十郎は振り返って、ふ、と小さく笑む。
「前みてぇに、知っているから苦しむ…みてぇな事はなくなるだろ」
「…!あ、えと、あ、そ、そうですね…」
「…なんでそんな動揺してんだ」
「え、いや、ええっと、その…そういえば、そうだなって…思って」
しきは困ったように笑う小十郎に、手をぱたぱたと振って慌てる。
確かに、考えてみればしきが知り得るシナリオは終わってしまった。シナリオの先、これからの事はしきも一切知りえない世界なのだ。

言い換えれば、ようやくしきが、この世界の人間になれた、ということになる。

その事に気がついたしきは、はっ、としたように目を見開き、すぐにどこか嬉しそうに笑んだ。
そんなしきの葛藤を知らない小十郎は、突然笑い出したしきを不思議そうに見る。
「それより、不在の間何かあったか」
「へっ?あ、いえ!特にこれといった問題は…」
「そうか。悪かったな、いきなり色々な事任せちまって…」
「いえ!!まぁそりゃ大変でしたけど、嬉しかったですから!!」
「???…そうか」
小十郎は心の中で小さく、女心は分からねぇな、と呟いたのだった。

―――――
それからしばらくは、平穏な日々が続いた。どの軍も信長との戦いに疲弊していたこと、そしてなにより、家康と幸村の説得の言葉が響いているからであろう。
伊達軍も戦後のいざこざが色々とかたついた後、内輪で小十郎としきの結婚式のようなものが行われていた。
「〜♪中々様になってんじゃねぇか、二人共。小十郎、見惚れてんじゃねぇぞ?」
「…ご冗談を、そこまで我を忘れることはしませぬ」
「…白無垢って意外と重いですね…」
「Heyなんかつまんねぇぞテメェ等」
政宗は緊張しすぎて逆に冷静になってしまっている二人を前に、仰々しく肩を竦めてニヤニヤと笑った。
「ま、今日はド派手なPartyと洒落こもうじゃねぇか!」
「…悪いな、しき」
一人ハイテンションな政宗に小十郎は小さくため息をつき、しきにそう言った。しきは不思議そうに小十郎を見上げる。右目の傷は白無垢という衣装上髪や眼帯で隠すわけにもいかないので、白い布を上にひっかけ垂らすようにして隠していた。
小十郎は気まずげに視線をウロウロとさせる。
「その…け、結婚は女にとっちゃあ男以上に一大事だろう?その…政宗様が暴走されてしまいそうで…」
「…私は、小十郎様と結婚式挙げられるだけで十分幸せです」
「!!」
しきは結婚式というより結婚式ついでのただの宴会となるのではないかと危惧する小十郎に小さく笑い、嬉しそうにはにかみながらそう言った。小十郎は小十郎で、しきの言葉に顔を僅かに赤くさせ、困ったように顔を逸らした。
「…全くこういうことにかんしちゃ、お前には適わねぇな」
「ふふふ。小十郎様可愛い」
「男に可愛いなんて言うんじゃねぇっ」
「Hey!!早くしやがれ主役ども!!」
小十郎は更に顔を赤くさせながらも、政宗の呼ぶ声にしきの肩を抱くようにしてそちらへ歩き出した。しきも少し早歩きになりながらも、小十郎の隣で歩き出した。
「小十郎様?」
「あ?」
「…今どんな気持ちです??」
「………ほぼお前と同じだ」
「!!!」
「聞いといて照れるんじゃねぇ!!!」
政宗はそんな二人のやりとりを見て爆笑している。
奥州の堅物、片倉小十郎の結婚式は、実に派手に賑やかに行われた。小十郎が危惧したように最終的にはただの宴会となってしまってはいたが。
「…飲みすぎた……」
しきは一人、喧騒から離れ縁側に腰掛けた。空には上弦の月が輝いている。しきは風に当たりながら、その月を見上げていた。
「!大丈夫か?」
「小十郎様!大丈夫です、ちょっとお酒飲みすぎちゃって、えへへ…」
そこへ、小十郎も姿を見せた。にへら、と笑うしきに小十郎は呆れたように笑い、しきの隣に座った。
しきはぼふん、と小十郎にもたれかかる。
「…小十郎様」
「なんだ?」
「…不束者ですがよろしくお願いします…」
「…それは俺に寄りかかっていうような言葉か?」
「えへへへへ…」
「…ご機嫌だな」
酔っているのか普段よりよく笑うしきに小十郎は苦笑しつつも、その肩を抱いた。


そんな二人を見つめるのは、空に浮かんだ月のみ。

 

END

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