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貴方も私も人じゃない177

鎮流はふわ、とした笑みを浮かべた。西軍にいた頃には浮かべたことのないような、柔らかい笑みだった。
「私はそのような恥の概念は持ち合わせておりませんよ。生きろと言われたから生きているだけですから」
「…その、生かされている生が恥ずかしくはないのか」
「いいえ?生きることを最終的に決めたのは私ですし。どうしても嫌なら自害すればいい話」
「……………」
孫市は小さく舌打ちし、視線を鎮流から逸らした。どうにも鎮流と話すとペースを持っていかれる。その結果、冷静さを欠いてしまう。
今それを無くすわけにはいかない。孫市はぐ、と吐き出しそうになった言葉を飲み込み、再度鎮流を見据えた。
「…元親の骨が出た」
「そうですか」
「…貴様…何か言うことはないのか」
「何を、申し上げればよいのですか?」
「ッ!」
「私から言うことは特には何も。何か言ってほしいのなら言って差し上げますが」
「貴様……ッ」
かぁっ、と孫市の顔が赤くなり、手が鎮流からは見えない、腰の後ろに回る。
鎮流はこて、と首を横に倒した。その顔は楽しそうに笑っている。
「…それはオススメしませんよ」
「………………」
「まぁ、少しお付き合いいたしましょう。貴女は私に対し、長曾我部殿への事で怒りを覚えているのでしょう。ですが私はその事に関し謝るつもりはございません。勝つために必要と判断した事でしたから」
「……………皆殺しが、か」
「西軍をバラバラにするわけにはいきませんでしたから。もうあの時点で、長曾我部殿は、敵でした」
「チッ………」
孫市は不愉快に盛大に舌打ちした。だが、鎮流を否定しきれない自分がいた。
軍師としての判断は、間違ってはいない。方法はどうであれ、即座に敵と認識し排除した判断力は、力ある軍師らしいものだ。
自分が鎮流を許せないのは、彼が知己だったからではないか。そうでなかったら、そこまで気にならなかったのではないか。
最近そう思い始めていた。だから冷静さを損なわずにすんだ。
鎮流はくい、と頭をあげ、外を見た。日が沈み始めている。
「…そろそろ帰られた方がいい。私への面会は彼が許していない。私がここにいることを知らない人間も多いですから。つまり貴女は不法な手でここにいる、そうでしょう?雑賀孫市殿」
「…」
「それとも、その手に持ってる銃で私を撃ちますか?それも構いませんよ」
「…お前には、自らの意思がないのか?」
「多分ありますよ?ただ、色々なことでそれが希薄になってしまっているだけで」
「………………」
孫市は、腰に回していた手を下ろした。鎮流は僅かに意外そうに孫市を見たが、ふふっ、とすぐに小さく笑った。
孫市は苛立たしげに眉間を寄せ、腕を組んだ。
「…お前を許した訳じゃない」
「そうでしょうね」
「ふん。いずれしかるべき報いを受けろ」
「……ある意味、報いなら今受けていますよ。あれだけ人を殺し、殺させた私が、人を作っているのですからね」
「………………」
孫市はそう皮肉げに鎮流が呟いた言葉に反応を返すことなく踵を返し、そのまま静かに姿を消した。
「久々に刺激ある日でしたわ」
鎮流は孫市が消えた後、そんな風に小さく呟いた。それから家康が食事を持ってくるまで、鎮流はぼんやりと孫市が消えた方向を向いたまま、何か考え込むようにして腹を抱いていた。




その後、孫市はおろか、家康以外の人間が、鎮流の元を訪れることはなかった。


そのまま鎮流は十月十日を終え、子供を、産んだ。
産まれた子供は、目元が鎮流によく似た、男の子供だった。

貴方も私も人じゃない176

「……おどけるな」
「ならお前はマジになるな。黙って聞いとけ」
「……ッ」
不意に険しくさせた政宗の視線に、孫市はぐ、と唇を噛んで目を逸らした。
納得はしていないだろう。家康は、はぁ、も気付かれないように小さくため息をついた後、座ったまま孫市を見上げた。
「…彼女は生きてやってもらわないとならない事がある。だから生かす。それまでの話だよ」
「…………」
「悪いがこの決定に意見を聞く気はない。もういいか?」
「……………承知した」
孫市はぎり、と歯を鳴らしながらも、そう言って大人しく部屋から出ていった。政宗は家康に向かって肩を竦めて見せ、孫市の後をおっていった。
「…慶次?」
真っ先に孫市を追っていきそうな男、慶次は意外にも後を追わず、じっと家康を見つめていた。その顔に普段のにこやかな表情はない。
「…話は終わったぞ」
「いいや、終わってない。俺も納得できない」
「…そこまで説明する義理はないだろう。早く帰るんだ」
「確かに俺は彼女の事を全然知らないし、でも、」
「慶次」
「…ッ」
ピシャリ、とはね除けるような家康の言葉の冷たさに、慶次は驚いたように家康を見た。家康は真っ直ぐ慶次を見つめている。
その、見たことのない目の冷たさに、今更ながらに慶次は異常を感じた。
「………家、康…」
「…話は今度付き合おう。今日のところはもう帰ってくれ。そういう気分じゃないし、話すこともない」
「……う…、分かったよ」
慶次は何か言いたげであったが、今の家康に異義申し立てる度胸はなかったらしい。慶次はしふしぶといったように立ち上がり、ぱたぱたと二人の後を追って姿を消した。
家康は、はぁ、と大きくため息をつく。力が抜けたように、家康は姿勢を崩した。
「…………………」
ーそれまでの話
自分の口にした言葉に、自分で嫌になりそうになる。
逃げ道を無くすつもりの発言だった。きっと自分は彼女を手放すことができない。だが、生かし続けてしまっては、それは鎮流の首を優しく絞め続けているようなものになってしまう。

ーせいぜい大事にするといたしましょう

皮肉めいた笑みを浮かべ、どこか優しくそう言った彼女を、これ以上裏切ることはできなかった。
「………」
はっきり思い出せる。かっとなって首に手を掛けたときの、満足そうな彼女の表情。
間違いなく鎮流は、殺されることを望んでいる。自分の手で殺されることを、望んでいる。
裏切って傷つけた。憎しみを抱かせた。色々なものを奪った。
これ以上、彼女が苦しむことは、出来ないと思った。
「…それまでの話……彼女といることが許されるのは、それまで…」
家康は自分に言い聞かせるようにそう言うと、静かに立ち上がりその場を後にした。



それからの日々は、ゆっくりなようで、早く過ぎていった。
日に日に大きくなる腹に、鎮流は普段の服はもう着れなくなった。相変わらず入れられている部屋は座敷牢ではあったが、食事は毎度家康が持ってきた。家康以外で訪れるのは、連絡要員として動く源三くらいなものだった。
「…大きくなったなぁ」
「まだ性別は分かりませんね」
生物的な意味で親になるからなのか。二人の間に流れる空気は、豊臣時代のそれと同じだった。鎮流が家康の手を拒むことはなく、家康も鎮流を優しく扱った。
まるで夫婦のような空気が、そこにはあった。
「それじゃあまた後で。何か必要なものは?」
「いえ。この前いただいた書でも読むとします」
「そうか。それじゃ」
家康は食事の時だけ、時間を共に過ごす。食事を終え、少し話をして、仕事に戻る。
それの繰り返しだった。


関ヶ原の戦が終わって、二月ほど経った頃のことだ。珍客が鎮流の元を訪れた。
「…これはこれは。どこから入り込んだので?」
牢の前に立っていたのは、孫市だった。見慣れた戦闘用の衣装ではないが、相変わらず動きやすそうな格好をしていた。
孫市は驚いたように鎮流を見下ろした。
「……お前、その腹は…」
「これが私が生きている理由でございますよ」
「…!徳川の、」
「さぁ?それはどうでしょう。ある人間の子を孕んでいるのは事実ですが」
「………ふん。生き恥を晒す気分はどうだ」
「生き恥?何故私が恥じねばならないのです?」
「…なんだと……?」
ぎり、と孫市の歯が鳴る。

貴方も私も人じゃない175

「…そう、ですか。ならば、それまでは生きねばなりませんね」
「…いい、のか?」
「……私は、子を成すには早すぎました。親になる覚悟もなく、子を作りたいと思うほどの愛も知らない…そんな人間に、子を成すなど、許されてなるものですか」
「なら……」
「ですが、貴方が必要だというのならば話は別です。私は母親にはなれませんが、貴方は、父親にはなれるかもしれない」
「……………」
「何故必要か……の、理由はお聞きしません。聞かない方が、私が楽でしょうから。……それでは、せいぜい大事にするといたしましょう」
鎮流はそう言って、とんとん、と柔らかく自分の腹を叩いた。
家康は言い出しておきながら、悲しげに眉間を寄せた。だがすぐに小さく笑みを浮かべた。
「…もう少し、迷惑をかける」
「……そうですね」
自分は、彼女にとって悪い方の選択肢を選んだ。そう思った。
それでも、一瞬空気が和らいだのを感じた。それに甘えていたかった。少しでも生かしたかった。

それが、彼女の腹の中の子が必要な理由だった。

ー…最低な男だ、ワシは
家康はそう心のうちで呟いた。それでも、撤回はできなかった。
それだけ家康は、彼女を愛してしまっていた。それほどまでに、一人の人間として欲してしまった。





 数日後、家康は主要な将ら面子を集め、これまでの総括と、今後の仕置きを通達していた。
仕置き、といっても大したことはない。処刑すべきほどのものは、ほとんど関ヶ原で死んでいたからだ。領地が減ったり、隠居の身になったり、そういった程度のことで済んだ。
問題は、元親と鎮流の話だった。集めた場で異論を上げるものはいなかったが、解散した後食いかかってくる者も勿論いた。
「どういうことだ徳川!! 」
誰かといえば、それは孫市だ。孫市の行動に予想がついていたのか、その場には政宗と慶次も残っていた。
「…座ってくれ孫市」
「納得がいかない!元親が殺されたのに、奴は生かすだと?!」
「落ち着け三代目。雑賀の名が泣くぜ?」
「…ッ伊達…!」
「家康。あの女を生かしているのは、女のため、じゃあねぇんだろ?」
政宗は孫市を制止し、にや、とした笑みを浮かべながらそう口にした。孫市は驚いたように政宗を見た後、家康を振り返った。
家康は困ったように笑う。
「…まぁな。悪いが理由は教えられない」
「何…?」
「だとよ。そう逆らうのもよくねぇと思うぜ?ただでさえアンタの行動で雑賀の評判は落ちてんだ。やめとけ」
「………ッ」

誰が広めたのかは知らないが、雑賀衆が契約を途中で放棄し敵に回った事が、世間で広まってしまっていた。
それが鎮流の企んだことかは判断できないが、雑賀衆が今まで築いてきた評判が地に落ちたのは事実だ。

「…」
「これから戦はねぇ、と願いたいが、最後の戦で大ポカかました上に、天下人にいきなり逆らった、なんてアンタが狂ったと思われかねないぜ?西海のは今黒田が調査してるとこだ、その内亡骸も出てくる」
「…………」
「……やーれやれ。怖い顔しちゃって、まぁ」
政宗はそんな風におどけながら肩を竦めた。

貴方も私も人じゃない174

はぁ、はぁ、と息を荒げた家康は視線をさ迷わせた。
言うつもりはなかった言葉なのだろう。否、とっさに出てしまった本音なのだろう。自ら察されまいと隠していたはずの本音を、だ。
滑稽な話である。
「………家康」
忠次はしばらく戸惑っていたが、ふぅ、と息を吐き出すと静かにそう声をかけた。その声に怒りはない。確かに自分にはわからないと、自覚があるのだろう。
「…それでも……駄目だ。彼女はただの一兵じゃないんだ」
「…………………………」
「……ッ。………?お嬢様…?」
源三は忠次の言葉に僅かに目を伏せた後、ふ、と気が付いたように鎮流を見下ろした。体を支えていない方の源三の手は、鎮流の腹の上にあった。
鎮流は、ちっ、と源三に気付かれないように小さく舌打ちした。
源三はそんな鎮流の態度には気が付かなかったが、顔を蒼白にさせて鎮流の顔を見た。
「お嬢様!!この腹は!!」
「?」
「は、はら?」
不意に声を張り上げた源三に、二人は驚いたように源三を見た。鎮流は源三の手を払い除ける。
「…何?」
「誤魔化されますな!これは…ッ子を成しておいででしょう!!」
「「!!」」
源三の声に二人の表情が変わる。忠次は驚いたように、家康はそれに加えて呆然としたように。
鎮流は、はぁ、とため息をついた。
「…そうですね」
「どなたですか!」
「その方にしか話したくないわ。これに関しては私だって色々と思うことがあるのよ」
「…そんなもの、お一人しかおりませんでしょうに…ッ!」
「へぇ?だったら気を使ってくださらない?」
「…ッお嬢様…」
「………もう私は、あなたの記憶の中の私とはかけ離れた人間よ。同じと見るなら、あなたが苦しむだけよ、源三」
「……………………。忠次殿」
「えっ、なっ、ちょっ!?」
源三はぷいとそっぽを向いてそう言った鎮流に、悔しげに顔を歪めた。だが、少しばかり悩んだ後、源三は腰をあげ、忠次の腕を引いて座敷牢を出ていった。混乱したままの忠次は源三の腕を払う暇もなく、そのまま連れ出されて二人の視界から消えていった。
消えて、少ししてから、どすん、と家康が腰を下ろした。腰を下ろしたというよりかは、膝から力が抜けて崩れ落ちたと言った方がいいだろうか。
「…鎮流、殿」
「……まさか腹をさわっただけで分かるなんて。老齢の殿方は油断できませんね」
「………それは」
「西軍では軍師でしたからね。手を出す無謀な人間はいませんでしたよ」
「……………」
父親はお前だと。鎮流は直接言いはしなかったが、それを隠そうともしなかった。
家康は困ったようにふぅ、とため息をついた。がしがし、と髪をかきみだす。
「……そう、か。その……迷惑を、かけた」
「全くです」
「…………」
「必要ですか?」
「え?」
鎮流へなんと声をかけるべきかと悩んでいる家康に、鎮流は唐突にそう尋ねた。驚いたように振り返った家康を、鎮流はじっと見つめる。
「…必要ですか」
「…………それは」
「…私は。正直、どうすればいいのか分かりません。ですから、貴方の意見で決めようかと」
「…もしいらないと、そうワシが言ったら、」
「産む前に始末できればいいのですがね」
「…!鎮流殿っ、」
「もし産むのだとしても、育て上げられる自信はございませんよ」
「…ッ」
鎮流の反論は最もだ。
普通、憎い男の子供など愛せるわけがない。
家康はそう思った。
産んだとしても、鎮流は育てる自信がないという。ならばいっそのこと。
鎮流はそう言いたいのだろう。
だが。
「………必要だ。ワシには、必要だ」
「……………」
「…産んでくれ」
家康は鎮流に向かって、そう言っていた。

貴方も私も人じゃない173

「………鎮流殿」
来たか。
声を聞いた鎮流はそう思い、顔をあげた。ガチャリ、と鍵の開く音がする。そちらに目をやれば、家康が座敷牢の中へ入ってきていた。
鎮流はゆっくりと体を起こし、姿勢を正した。家康も、そんな鎮流の前にゆっくりと腰を下ろした。
「…なんで来たかは分かるな」
家康は笑っていなかった。きゅ、と唇は噛んでいるかのように真一文字に結んでいる。それだけで用件は察することができた。
「漸くご決断されたのですか?」
「!……相変わらず、何もかもお見通しって訳か」
「伊達政宗から聞いたのでしょう?」
「……あぁ。本当なのか」
「ええ」
「……官兵衛は…」
「あの方には死体を隠す場所を無理矢理提供していただいただけ…私の独断ですわ」
「……………」
「疑っておいでですか?なんなら掘り起こしてみればよろしいでしょう。…もう骨になったかしら」
「…………ッ」
「!」
家康がぎり、と歯を鳴らしたかと思うと、視界が大きく揺れた。少し遅れて現状を把握しようとすると、どうやら家康が自分のことを押し倒したのだと分かった。
「…………」
家康は険しい表情のまま、鎮流の細い首に手をかけた。手甲のない、傷だらけだが僅かに温かいそれに、首が包まれる。
ーあら
鎮流はくすり、と小さく笑った。
「…手ずから殺してくださるの?」
「………………」
家康は、そうだ、と言わんばかりに、ゆっくりと指に力を込め始めた。


思えばあっという間だった。
家康の元から逃げ、こうして捕らえられるまで、西軍で過ごした時間。人生でもっとも頭を使った時間であったはずなのに、ここにくるまではあっという間だった。思い出そうとしても、断片的にしか思い出せない。

全力で走ってきたようだった。
生きるために走っていたのか。
それとも今、家康に殺されることを喜んだように、死ぬために走っていたのか。
ここに来て、それがわからなくなってしまった。

「ーーーーぐ、ぁーーーーー」

気道を閉められ、呼吸が止まる。酸素を求め、顔が赤くなる。
不思議と、そこまで苦しくはなかった。霞始めた視界で、唇を引き結ぶ家康の顔がぼんやりと見える。

もういいや

そう思う。腹の子供も、もはやどうでもいい。
このうっすらと泣きそうな、馬鹿みたいに優しくて、そして忘れられない愛おしさを抱かせたこの男に、静かに生を終わらせられるのならば。
それも悪くはない。寧ろ、最期としてはいい、とすら思える。

鎮流は抵抗せず、首の温かさに身を委ね、目を伏せた。
これで終わると思った。
これで終われると、思ったのだが。


「ーーーー家康ッ!!!」

不意に座敷牢へ踏み込んできた忠次により、それは叶わなかった。

家康は忠次に引き剥がされ、急に開いた気道に体は酸素を求め、鎮流は体を丸めながら何度か蒸せた。
家康はぐいぐいと引っ張る忠次を振り払い、ぎっ、と険しい顔で忠次を見据える。鎮流も体を起こし、忠次を睨み見る。
「「何故邪魔を!!」」
皮肉なことに言葉が被った。忠次と、そして遅れて入ってきたようだ、源三は驚いたように二人を見ていた。
「お嬢様!」
「源……ッ!!何故あなたがここにいるの!!」
「お嬢様のお言いつけ通り、私の好きに動かさせていただいた結果でございます!」
源三はそう言いながら鎮流に駆け寄り、その体を抱え起こした。
忠次は二人の間に割って入るように立ち塞がり、家康を見据えた。
「…家康。何やってんだ。殺すなら殺すで、手順踏まねぇと駄目だろうが」
「…邪魔をしないでくれ」
「いいやするね、お前がここで彼女をーー」

「お前に何が分かる!!」

がっ、と。
噛みつくように家康はそう叫んだ。忠次は驚いたようにたじろいだ。
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