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物言わぬ被害者達

田村市常葉町に「カブトムシ自然王国」"こどもの国ムシムシランド"というミニテーマパークのようなものがあります。

その名の通りカブトムシをメインにしており、幼虫セットの販売をしたり、自然観察園に数万匹のカブトムシを放して森の中でのカブトムシの様子を観察して貰ったりしています。
とんでもなく山奥なので交通の便はあまりよくありませんが夏の最盛期にはかなりのお客さんが来ていたようです。

毎年農家の堆肥の中から必ず出てくる幼虫を買い取って成虫に育てます。
今年もここ数日の猛暑もあってカブトムシが次々羽化しているそうです。

ただ、このカブトムシ王国、原発から直線距離で33.5km。

緊急時避難準備区域に指定されています。
子供や妊婦の立ち入りは制限されていて、故に今年は人はほとんど見られません。

通常であれば7月の9〜10日くらいに放虫式と言って町中の幼稚園、保育所の子供を集めてカブトムシを自然観察園に放つ式をするのですが、今年は見送りだと聞きました。

通信販売の幼虫観察セットは放射能の検査をしたうえで販売したそうです。

今回の原発は人災ではあると思いますが、誰が悪いと断じることは今はしません。

でもいつもと変わらぬ場所に巣を作るツバメ、
時々クルミの木を走るリス、
道路を駆け抜けていくタヌキ、
今年はまだ話題になりませんが秋口になると偶に人里に出てくるクマ。
キャベツ畑の上を飛ぶモンシロチョウ。光に寄せられて窓にぶつかってくるカブトムシ。

私たち人間は被ばくを減らす努力もできますが、彼らは何も知らず、何もできないのです。

彼等に当然補償はありません。

私達と同じかある意味それ以上に、福島に住む生き物たちもその被害を受けているなあと思いました。


ちなみに私達には珍しくもないカブトムシが他所ではけっこうな値段で売れるらしいことを聞いて驚いた記憶があります。
本当に、森に近い所は勝手にカブトムシの方から灯りの下にやってきたりします。

まだけっこう自然が豊かなことが自慢の田村なのでした。
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