福島の米

先日の福島市大波地区の米に引き続き、伊達市で取れた米についても暫定規定値を超えるセシウムが検出されたと報道されました。
伊達市にはこのブログ開設時からずっと心配して書き込みを下さった読者の方もいてとても心配なのですが、予想通り鬼の首を取ったかのような某教授や福島終わりだ宣言をするネットの方たちのことはさておき、今回の件はとても悲しいことで一度安全宣言を出していただけに、先の牛肉事件に近いダメージを福島の農業に与えたと思います。

県は米の出荷に際し、かなりの注意深さで調査をしたはずでしたが、それを潜り抜けて基準値超の米が出てしまったということは、皆が「基準値超えは出て欲しくない」と思い、心のどこかでそれが出ないように検査してしまったということなのではと、なんとなく思います。
その後の検査でもかなりの所で基準値超えの米が出ています。
いっそ、米は今日収穫して明日食べないと、という野菜とかと違うのですから全県、全農家の米を検査してその結果調査書と一緒に出荷したらどうかと思います。
本当にそれくらいしないと、福島の米の信頼は取り戻せない状況になっているのではないでしょうか?

私は福島のお米を食べているし、美味しいですけれど、それをよその方に強制はできません。
でも、信頼はきっと回復できると信じて。
ちゃんと調査しているから、福島の物はある意味他所のものより安心できると思って貰えるくらいに今回の事を教訓にして、県には調査をしていってほしいと思います。

そして一刻も早く農家の人達の保証と土の除染と対応を東電には求めたいものです。

フクシマの最前線の人達

ここのブログを「原発最前線の町」というタイトルにしたのは、震災当時、ここがおそらく原発に一番近い避難所であったからです。
西に原発から34.5km。
南相馬といわきにほぼ同じくらいの直線距離の避難所があったかもしれませんが、それ以外の場所は避難区域、緊急時避難区域に当たっていたので。

でも、本当の意味での最前線はやはり福島原発とそこで働く方たちであったことに疑いはありません。
あそこで働いて下さる方々がいなければ、福島は本当に死んでいたのですから。
最初の頃はイライラして「少し危険を冒しても早く直して欲しい」と思ったりしたのですが、今は心から感謝し、全てを任せようという気持ちになっています。

その中で八か月間、陣頭指揮を執り続けていた福島原発の所長、吉田氏が病気の為退任することになったのだそうです。
八か月、殆ど家に戻ることもなく、家族と会うこともなく、放射能の恐怖と戦い続けながら作業を続けて下さった吉田氏。
先日のテレビインタビューの時、
「相当な積算線量になっている」
とおっしゃっていました。
今回、病気、即入院となったことが心配ですが、どうか体を休めて治療に専念して頂きたいと思います。

おそらく吉田氏と一部の方を除いては最前線の皆さんは、入れ替わりも激しかったのだろうと思います。
どうか、皆さんの無事を心から願っています。

福島を愛する者達 長い旅の終わり

喜多方の御清水稲荷神社。
ここが私の長い旅の終着地点になりました。


福島のリアル宝探し「コードF」
昨日で期間終了したこのイベント。
私は完全クリアしました。
最初は本当に菊人形を見るついでだったのですが、やり始めるうちに面白くなってとうとう二日がかりで会津や喜多方にまで行って綿密に下調べして、宝探しをしてきたのです。
いずれ細かく書くかもしれませんが


いわきエリアは湯本温泉 勝行院の三重塔に
二本松エリアは智恵子の杜 みはらし公園に
白河エリアは鹿島神社に
会津エリアは会津若松駅に
そして喜多方は御清水稲荷神社に宝箱がありました。
宝の発見を示すキーワードは
ワーシップ、ホープフラワー、賢者の知恵、レクイエム、そしてサクセスソード。
それぞれのエリアにあるとされた宝にまつわる言葉でした。


地元に住んでいると意外に観光地なんていかないもの。
私も殆どの場所に足を運んだのは始めてでした。
湯本で足湯に入ったり、二本松で菊人形を見たり、白河や喜多方でラーメン食べたり、会津若松で白虎隊のお墓にお参りしたり。
改めて福島を再発見するという意味でと
ってもいいイベントだったと思います。


残念なのは発見者賞のカードが人気で第一期配布終了してしまい、第二期のカードは全てのエリアで同じになってしまったこと。
本来であったら剣であったという会津若松のカードと、ネットでどうしても解らなかった喜多方のカードの代わりに「海賊の眼帯」というカードを二枚貰いました。
本当だったら違うカードが5枚手にはいる筈だったのになあと少々悔しいですが、でも見つけるまで、探す間が一番楽しかったのでいいです。
温泉旅行やDS、物産品が当たる籤もあり、一応応募はしてきましたが、ま、これはどうでもいいですね。
本当に楽しかったから。


あちらこちらでたくさんの人がこのイベントに参加しているのを見ました。
皆が、福島を再発見し、楽しいところだと思って貰えたら、ステキだなあと思います。

食料選択の不自由

福島の秋は実りの秋。

リンゴ、梨が美味しく、柿も美味。
あんぽ柿は甘く、柔らかく、栗も美味しく栗ごはんは最高。
請戸の川に鮭が昇り、新米で食べるイクラご飯は幸せの味。
山にはキノコが沢山生えて、道の駅はそれを目当てに訪れる人で賑わう。
右を向いても左を向いても美味しいもので溢れる福島の秋は、今年も例年とほとんど変わらぬ実りを私達にもたらしてくれましたが、今の私達は悔しいことにその喜びを心から味わう事はできずにいます。

昨日のニュースでは伊達市であんぽ柿用の柿の収穫がボランティアの人達の手で行われたとやっていました。
ことしあんぽ柿は生産を自粛するように指示が出ています。
だから、この収穫は廃棄の為の収穫です。
木に付けたままだと来年以降の生育に支障をきたすからです。
山為す美しいオレンジ色の柿が誰にも食べて貰えずに捨てられると言うのはやるせない気分になります。

福島のある地区では自主検査で基準値越えの米が発見され、出荷が出来なくなりました。
全県検査を終えて出荷できると思った矢先の事でした。

そして地元の公園。
知る人ぞ知る銀杏の穴場なのですが、今年は殆ど採る人もなく踏まれるばかり。

あんぽ柿の生産者の方は
「これから木の除染をして、来年こそは安心して食べて貰えるようにしたい」
とおっしゃっていました。
私は福島の米も野菜も食べます。
でも、拾った野生の銀杏をおうちの人に食べて貰えない子供のがっかり顔を見るにつけ
来年は安心して道端の木イチゴやイチジクに手を伸ばし、あつあつの封筒焼きの銀杏を食べることができるのかな? と思わずにはいられません。

食料選択の自由を、早く返して欲しいものです。

例えば高速道路を走る時

私は、決して子供達を含め福島県民が被ばくしていいと言うつもりはありません。
法律を破っていいというつもりもありません。

ただ、一部の人が持つ
「放射性物質=健康に害を及ぼす毒」
「福島は毒に侵された危険地域」
「福島は人が住むところではない」
という認識とそれに基づく行動、発言だけは何とかして欲しいと思います。

某教授様はよく年間1ミリシーベルトを守らない今の現状は高速道路を80kmではなく160kmで走る行為だとおっしゃいます。
まあ、その理屈は解らなくもありません。
確かに高速道路の速度規制とかは守るべき法律です。
ただ、今、高速道路を時速80kmで走る車はどのくらいあるでしょうか?
平均100kmくらいでみんな、びゅんびゅんと追い越していきます。
ヘタに80kmで走っているとプチ渋滞になってしまうくらい。
そこにはみんな
「これくらい大丈夫だろう」
という楽観的な感覚と同時に
「自分を含め、皆が自分のペースで行った方がスムーズに行ける」
というある種の信頼があるように思うのです。
80kmで走りたい人もいる。急いで行きたい人もいる。
人それぞれ。他人と自分の安全に気を付けて行動しつつ自分の今を走っているのです。
法律というのは人の安全を守る為の最低ラインのさらにその下の線ですから。
守らなくていいというつもりはまったくありませんが。
本来守るべきものですが。

もっとも今の福島が160kmで走っているとすればそれは自分の意志ではなく、いわば心筋梗塞の人を車に乗せているようなもの。
早くそんな状況から抜け出したいのに出口が見えず突っ走っているような感じでしょうか?
法律を守らないのではなく、守りたいけど守れない。が現状です。
流石に160kmはやりすぎで、せめて早く120kmくらいに戻したいのですが、その為に救急車を呼んだり中にいる人が応急処置をしたり懸命にやっていますが、症状は改善せず、出口も見えない。
だから160kmで走らざるを得ない。
それは確かに危なくて眉をひそめることもあるかもしれませんが、せめてそんな事情があるんだということを頭に入れて生暖かくでいいので見守ってくれないかなあと思います。

福島を拒絶しないでくれるだけでいい。
本当にそれだけでたくさんの人と心が救われると思うのですが。
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