マルベリーの誘惑

私の大好物に桑の実があります。
田村市は少し前まで養蚕が盛んで、桑の木がそこかしこにありました。
そしてその木になる桑の実は子供の恰好のおやつだったのです。
毎年葉を切る若い木よりも、古い木の方がたくさん身がなります。
桑の木林に行かないといけないので、大人になってからは御無沙汰でしたが、最近親が時々貰いものだと持ってきてくれます。
去年も書いたかもしれませんが、大好物を前に少し悩まなくてはいけないのが震災後の福島の悩み。
マルベリーと言われるくらいなので桑の実もベリーに近い特性があります。
しかも野生のものですから。
少し前、二本松の桑の葉茶から100ベクレルを超える放射能が検出されたと聞きました。
桑の実ジャムからも10ベクレル前後が。
悩むこと30秒。
我ながら短い。
洗って食べました。
美味しかったです。

せっかくこの季節だけの、しかも店ではそう簡単に手に入らない生の桑の実。
田舎住人の幸せ。
堪能しないと損でしょう。
桑の実を食べたくらいでガンになるのなら、それは他の要因でもガンになるかもしれない。
勿論無思慮に山菜とか食べたりましませんが私はガンになっても絶対放射能のせいにはしないぞ、と心に決めています。
そんなことで貴重な人生の貴重な時間、無駄にするのはもったいないですからね。
今、桑の実は冷蔵庫でひんやり冷えています。
明日の朝がきっと最高に食べごろ。
楽しみです。

野菜花盛り

今、東京とかの野菜の相場ってどのくらいなんでしょうね?
私は東京で野菜とか買うことが無いのでよく解りませんが、地元のきゅうりだとスーパーで1本2〜30円くらいかな。


直売所とかで買うともう少し安いです。
最近は地元スーパーでも地元の野菜農家が直接卸すコーナーとかがあるので、お買い得。
夕方とか行くと売れ残りがさらに安くなるのでもっとお買得になります。
もっとも船引の町うちの人はともかく常葉とかだと自分の家で食べるくらいは野菜を作っているという家が割と多いです。
よくおすそ分けも貰います。
レタス、キュウリ、インゲン、スナップエンドウ。じゃがいも、玉ねぎ。トマト。トウモロコシ。
だから、この夏のシーズンは野菜を殆ど買わずに済ませられることが殆どでした。
3年前までは。
震災の年は本当に野菜の出荷や作付を控えたところが殆どでした。
去年も再開したうちも少なくありませんがどちらかというと作らない>作るでした。
でも、今年あたりから作る>作らないになっているところが多い様子。
うちの実家も今年、二年ぶりに野菜とお米の作付を行ったみたいです。
山菜などを除き、殆どの野菜から放射性物質は不検出。
毎週新聞に載っていますけど10ベクレルを超えるものはそんなに多くありません。

だから、私達は出荷されている品は、あまり気にせずに食べています。
福島の野菜は味があって美味しいです。
食べて応援! はいつも言っていますが私は強制はしません。
でもこれからは福島の高原野菜のシーズン。
もし機会があったら手に取って貰えると嬉しいです。
味は保証します。

そういえば、スーパーでTOKIOのみなさんポスター発見。
これ、ちょっと欲しいなあ。


明日は東京に行くのでブログは休みます。

知らない人がいる町

私の実家はけっこう奥まったところにあります。
私道を走らないと入ってこれないので、基本的に鍵をかけたことがありませんでした。
というか、今も外鍵無いと思います。
流石に、今は一人暮らししていますし、実家に比べれば町中で人も多いので鍵はかけてます。
でも、常葉とかさらに奥の都路では家に鍵とかあんまりかけない。
町の殆どが顔見知りで、知らない人が来ればすぐわかるから。
という家は最近までけっこうあったようです。

でも、最近は怖くて鍵をかけないと寝られない。
という話を良く聞きます。
何度か書いてますけど、除染の為の作業員宿舎ができて、除染作業の方達がたくさん来ているから知らない人がたくさん町の中を歩いているから、と。
作業員の方達を疑うとか、そういう訳ではありません。
でも、実際問題として観光地とかそういうのとまったく縁が遠かった土地に、知らない人がたくさん集まるというのはあんまり気分がよいものではないような気がします。
不審者の目撃情報や、空き巣の被害も増えているらしいですし。
「知らない人に家の周りをいじられたくないから」
と除染を断った家があるということも聞きました。
田村市は手抜き除染の問題もありましたし、知らない人が知らない家を本当に誠意をもって除染してくれるか、確かに解りませんものね。

除染はむしろゼネコンとかに頼まず地元の人が必要なところをやる方がいいんじゃないかな、と思います。
国の予算を全部、まっすぐ地元に落として。
今は除染というと、地元では定年後の老人のお仕事というイメージになってますけど第五下請けまで降りてくるという途中のピンハネを全部無くしたら結構な金額が除染作業員に渡るんじゃないかなあ。
そして地域が活性化するのでは。

そんなことを考えてしまいました。

スケープゴート

すみません。
昨日更新をサボったのは寝落ちです。
ちょっとのつもりで寝ても絶対にちょっと、で起きられない事は解っているのに。
同じポカを繰り返さないように気を付けないと…。

さて、信夫山ネコさんのHPで福島に全国の子供達を呼ぼうという「子ども大使」のイベントの窓口大学に抗議のメールが行っているというニュースを取り上げていました。
現在その会場となる猪苗代湖近辺の数値は最大で0.2、最小では0.07前後。
福島県全体で見れば十分に低い数値です。
東京で計測しても場所によってはこれより高いところはホットスポットでなくてもたくさんあるでしょう。
こういう人達はどんなに数値が低くても「福島」である限りダメなんです。
というより福島がダメでないと困るんでしょう。
何故なら福島が「ダメ」であるから他の所は大丈夫、と思えるから。
福島県では除染などが進んでいますが、近接の県で除染が行われたという話はあんまり耳にしません。
福島県ではリアルタイム線量計があちらこちらに設置されていて放射線数値が解ります。
しかし、他の県ではまず、自分の住んでいるところの線量がどれくらいかなんて解らない。
でも他の県の人は気にしない。
何故ならここは福島じゃないから。
汚染された土地は福島県。だから福島県だけは避けておこう。他は大丈夫。
そう思って安心する為には福島が汚染地じゃないときっと困るのでしょう。

そうして関東近辺くらいまでの人は福島や東北じゃないから安心と思い
そこからさらに西の人達にとっては東北や関東も危ないけどうちらは安心、あーよかった。
になるのだと思います。
だから、いくら数字が低くてもダメなんですね。
福島は生贄の羊なんです。

もっとも、その生贄の羊は放射能を心配する人達にとっては福島だけに留まらず東北や関東まで及びますから
「安全な自分達」を証明する為に「危険な他人」をこれからも攻撃し続けるのだと思います。


自分達が安全だと信じる自称避難の人達よりも長生きして見せてやるから見てろ〜。
と思うのはまあ、行きすぎだと思いますけどね。


世界遺産 富士山と福島のある女性の話

昨日の新聞と土曜日のテレビで富士山が世界遺産に登録されたというのをやっていました。
以前、富士山は自然遺産候補としての登録申請が却下されたことがあって、それが排泄物などで汚いからという話だったと聞きました。
以降、清掃や不法投棄の問題に真剣に取り組み、今回文化遺産としての登録がなされたそう。
日本の宝、富士山が世界の宝になるのはとっても喜ばしいことだと思います。
夏には福島の高校生が富士山に登る計画もあるのだそう。
二本松は富士山を望む北限と言われており、福島の新聞にも記事が大きく載っていました。

福島には有名な女性登山家がいます。
田部井淳子さんというのですが隣町田村郡三春町出身、御年73歳ながら女性で初めてエベレストの単独登山に成功した方。
私も何度か講演を聞きに行ったことがあります。
その田部井さんが震災後、新聞のコラムにこんなことを書いてました。

震災後、出会った人に
「自分は福島県出身です」
と言ったら
「え? 福島県?」
と2〜3歩後ずさりされた。
これが風評被害というものかと感じた、と。

これは震災後半年の頃、新聞に載っていた話ですので今とは違うかもしれませんが田部井さんのように有名な方でさえ、そういう目にあっているというのは忘れられない話でした。
田部井さんは震災後、被災者を誘ってのハイキングをほぼ毎月続けていらっしゃいます。
「福島の素晴らしい自然をぜひ、歩いて元気になって欲しい」
これから夏。
新緑の季節、福島が間違いなく一番美しい季節です。

富士山の世界遺産登録と一緒に、福島の元気も世界に発信していって欲しいなあと思います。
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