昔は、季節の変わり目にさまざまな禁忌や風習がありました。
特に夏の土用は梅雨明けと重なるため、衣類や掛け軸などの湿気をとる「土用の虫干し」をしたり、梅干し・うどん・うりなど「う」のつくものを食べて夏バテ防止をしたりしたのです。うなぎもまさに「う」のつく食べ物です。
夏は食欲が落ち、どうしてもさっぱりした食べ物に傾きがちです。
そんなとき、疲労回復に効くビタミン類やエネルギー源となる脂質をたっぷり含むうなぎは、夏バテ防止にはぴったり!
しかも、うなぎは、こうした夏バテ防止以外にも、風邪の予防、滋養強壮などに効果的ですから、夏のみならず「土用の丑の日」にうなぎを食べてもバッチリなのです。
ところで、このうなぎは、関西と関東では調理法が違うのです。
関東では、背開き(頭はとる)⇒素焼き ⇒蒸す ⇒再び焼く。の手順で調理するため、柔らかいのが特徴です。
これに対し、関西では、腹開き(頭はつけたまま)⇒焼く。 の手順で調理するため、パリッと香ばしいのが特徴です。
なぜ、関東が関西と調理法が違うのかと言うと、関東は切武家社会ですから、腹を切ることは「切腹」に通じることから、この切腹に通じることのない「背開き」にします。
これに対し、関西は商人社会ですから、腹を切ることは、腹を割って話せると解釈して「腹開き」をするという説があります。
また、関東では蒸す工程があるため、作業中に串から抜け落ちないよう、背開きにして身の厚い背に串を刺したほうが安定するという大変理に適った方法でもあるのです。
滋養強壮に良い食べ物は?