地方の人口減少にともない、古民家の数がドンドン減少してきており、全国に現在しているのは、約280万棟ほどだと推定されております。

その一方で、古くなって次々に解体、廃棄されている古民家を少しでも多く救いだし、再生利用しようとする活動も広がっております。

田舎暮らしを目指す人にとって、古民家に暮らすことは一つの夢ではありましょう。がっしりした大黒柱や梁、高く広い構造が作り上げる、ゆったりとした居住空間など、都会の狭小な家に住んでいる人にとっては、まさに憧れでしょう。

しかし実際に探し、暮らしてみるとどどうでしょうか?

古民家はじっくり探せば破格の数百万円台の物件もありますが、一般の中古住宅とは違い、古民家は暮らしていく中でも様々なトラブルが想定されますので、格安だからと勢いで購入してしまうと、余計な出費が必要になる場合があります。

■シロアリや雨漏り

何しろ100年近くも前に建てられた木造家屋ですから、当然、これは覚悟しておく必要があります。放置されていた期間が長ければ長いほど、その可能性や程度は大きくなります。

■家屋自体の傾き

地盤変化や経年による腐食などによって、建物全体に歪みが発生している場合があります。

■低い耐震性

法律で定められた基準を満たしていない物件もあり、補強が必要な場合もあります。

■古民家は寒い

日本の家屋は、基本的に、夏に風通しが良く涼しく過ごせるようにできています。

このため、古民家独特の通天然素材や深い庇、高い天井等が、冬の寒さや暗さを作り出すため、冬の寒さ対策は必須です。

その一方で、古民家の良いところは、自然界に存在する素材を壁や柱、塗料などに使っているため、シックハウス症候群など新建材から出る有害物質で悩まされることもなく、自然素材ならではの質感や香り、肌触りの良さによる癒し効果など、健康的な暮らしが実現できます。また、太くて丈夫な古材の骨組みに包まれる安心感も捨て難いですね。

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