新しい大臣の騒動はもう気にも止めたくないのでスルーします。
個人的には死の街はセーフ。放射能が移るはアウトですかね。
震災直後の一週間は田村市でさえ死んだようでした。人の居ない街をそういうのはありの気がします。
明日で震災から半年。
ちょっと福島の今の欠片を書いてみます。
浜通りの津波の事とかは私に語る資格はないので放射能関係になりますが。
現在、福島では校庭表土などの除去はほぼ完了に近付き、避難勧奨地域などを中心に住宅、庭や住居、水田などの除染に取り組んでいます。
ボランティアや業者の方々が高圧洗浄機などを使って窓や外壁を洗い、水田にゼオライトを巻いて拡散を押さえてから表土を取り除く。
まだ試験的ではありますが自治体は色々と試行錯誤をしながら対応を行っています。
でも、除染作業は本当に簡単なものではありません。
私の施設でも先日行いましたが、屋根の上に上がって高圧洗浄の水をかける。
雨どいの泥などを取り除く。
壁を洗う。
数人が半日がかりで行っても一番減って欲しい実際の生活場所で下がった数値はごく僅かでした。
(もちろん全体的に見ればかなり下がりましたが)
昨日の地元新聞によると一軒の家をある程度成果が出られるまで除染するとなると一戸あたり最低でも100万円近くかかるそうです。
平成22年の国勢調査によると福島県の人口は約210万人。
世帯数は72万世帯。
現在は人口は200万人を割り込み、世帯数も60万強というところだということなので、会津を除く浜通り、中通りを約40万世帯と考えますが家の除染だけで必要な金額はおおざっぱに考えても40兆円を超える計算になります。
これに農地の除去、既に行われている学校の表土除去(1校につき100万から一千万単位の経費がかかっています)を含むと除染関連だけで400兆から500兆円が必要になるとのことです。
(これは先日のテレビで武田氏もおっしゃっていました)
言っておきますが除染だけで、です。それも恒久的な成果が期待できるわけでは無く、除去した廃棄物の処理関連の費用は加えられていません。
未だ手つかずの地震関連のがれき等の除去費用を加えたら、どれほどかかるでしょうか。
悔しい話、それら全てを東電に支払わせるのは無理な話だと思います。
余所の方々は東電に責任をとらせろといいますが原発による損害賠償もこの調子だとどこまで期待できるか解りません。
国に働きかけてもまともに動いてはくれないのは今までの例が示す通り。
待っていたら取り返しがつかないと結局は自治体が、さらには個人が被ってやることになるのです。
二本松市などは内部被ばく用の検査機器を自治体独自で購入までしました。
田村市はまだ震災被害そのものが、経済を圧迫する程ではないからましな方です。
故郷を離れ税収も見込めず、仮設住宅で漂泊する警戒区域の9市町村などは、町から離れていく人々を見送り悔しさに手を握り締めながらも日々の対応に追われているのが現状なのです。
また避難準備区域の農作物の作付は禁じられていますが、ごく一部の方が残り出荷をしないのを前提に作付を行っています。
実際に栽培してみないと放射性物質が作物に与える影響は解らないのでそのデータを取る為です。
勿論どんなに努力して、豊かな実りを迎えても収入はありません。
でも、そのデータがいつか故郷に人々や子供の笑い声が戻り、一面の水田が黄金色に染まる姿を見る日の役に立てるために彼らは畑で汗を流しています。
残留放射能のモニタリング検査は個人で行う場合、一検体に付き1万から2万円かかります。
しかも、現在は施設をフル回転しても全ての産品の検査には時間もかかってしまうのです。
大事に育ててきた落ち葉と土で作った腐葉土。
カブトムシを育て、良い作物を育ててきた土が、今逆に放射能汚染の元凶になりつつあるという事例もあります。
優れた味で産地直送を売りにしていた農家も、品質保証と一緒に放射能検査結果を入れて出荷をしているそうです。
現在福島の生鮮品の検査では以外にND未検出のものが半分以上を占めます。
武田氏のおっしゃる安全値10ベクトル以下のものも含めていいなら7割は安全と言えるはずですが、福島県のものと言うだけで拒否されるか買い叩かれてしまいます。
これは震災後の報道などから公のデータが信じて貰えなくなったからと思われます。
それでも南相馬などにも避難していた方などが戻ってきつつあります。
それはきっとみんな福島が好きだから。
農家、自治体、東北、フクシマ。
そんな一括りの中に生きている人がどれだけいるか。
どんな思いでいるのか。
どれほど皆、頑張っているか。
考えて頂きたいと思わずにはいられません。