作 和田竜
KKベストセラーズ


『のぼうの城』で受賞もされた和田先生のエッセイになります。
私は生憎とのぼう以外の作品はまだ拝読出来ていないのですが、『忍びの国』や『小太郎の左腕』の作品に当たっての取材話や、戦国武将のちょっとしたお話が集められた一冊です。
しかし、このエッセイで読んで思ったのですが、和田先生は元々は脚本の方を書かれる方だったようです。さらに案外ざっくりな辛口屋さんのような印象を受けました。エッセイはたいてい個人的な心境も書かれたりするものですが、武将に対してがっかりとか(笑)平気で書かれています。

個人的にはのぼうにも登場した長束について書かれているのが嬉しかったです。あまり扱われませんからねー。長束については関ヶ原後に城に戻ったはいいものの、囲まれてしまってついには腹を切らされたと書かれていますが、別説もあり、関ヶ原から戻って時にはとうに城が囲まれていて入ることが出来ず、臨月であった妻の身を案じつつも、日野の地に逃れて自害に至ったという説もあります。

あとですね、表紙や挿絵がキングコングの西野さんのイラストらしくてびっくりしました。このちょっと癖のあるイラストなんですが、毛利がつぶやくってやつでスマホもって「過ちなう」って挿絵がシュールで面白かったです。過ちとかいいながら策なのですごいしたり顔でつぶやく毛利…。

ちょっと久しぶりに戦国に触れることが出来ました。