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彩雲国物語

作 雪乃紗衣
角川ビーンズ文庫


彩雲国物語は、私が学生の時に出会った物語でした。
学生時代に夢中になって読んでいましたが、社会人となっていつしか途中で追いつけなくなってそのままになっていました。話が深刻になり、どうにも手が進まなかったのも理由の一つでした。
昨年の初夏くらいからでしょうか。前から完結したとは聞いていたので、一巻から少しずつ読み返しました。

学生時代は絳攸が好きでした。鉄壁の理性と頭脳を持ちつつ、実は身内には甘くって、秀麗にも勉強を教えてくれて師弟のような関係がすごく好きでした。

秀麗が官吏になる話、茶州編、御史編、そして終盤は劉輝の話。
長い、物語でした。学生時代はこの人物はあまり好きではない、とかあったのですが、今最後まで読み返して、そんな気持ちはなくなりました。どの人物もそれぞれの個性と過去と想いがあって、人生をかけて動いている。これだけの人が。
物語の最後については、ここまできたらそれでもいいんじゃないの…って思いながら読んでいました。でも、雪乃先生はそうはなさらなかった。全部まるっと、拾い上げてくださった。穏やかなラストを、泣きながら読んでいた読者を、また笑顔にしてくださった。
最後の一文は最初の巻に通じる文で、八年かけて一つの物語を、それもデビュー作で作り上げた雪乃先生には感嘆などでは全然足りない、心からの感謝の意を伝えたいです。
素晴らしい作品をありがとうございました。


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