スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

黄金旋律−旅立ちの荒野−

作 村山早紀
角川書店 銀のさじシリーズ


戦国関連ではありません。久々の児童文学(多分)です。
図書館で偶然見つけたこの本の作者さんは、自分が小学生から中学生の頃にかけて読んでいた『シェーラひめのぼうけん』シリーズの作者でもありました。大好きでしたシェーラひめ。昔はファンタジー一筋な感じだった当初を懐かしく思い、何気なく手をとったこの本。

児童文学だと侮ることなかれ!


結構シビアな現実から始まり、今の子供達を考えたような主人公・臨。
亡き兄に代わり、母の為によい子であり続けるも、母や父はもう疲れていた。従兄弟の優を気にかけ、猫のアルトに癒されながらも、どこかズレてしまった家を父が去ることにより崩壊は始まる。臨ではなく兄がいたらこんなことには…!の母の言葉に衝撃を受け、床を蹴った先にいた猫のアルトが傷付き、動転した拍子に車に轢かれたアルト。
最期が近いアルトを抱え、寒い雨の中、臨は車の前に飛び出した。
不思議な夢を見て、目醒めた先は何百年と先の未来。荒廃した街には人影はなく、変異した生き物とロボットしか見えない。
悲しむ臨に残されたものは、遠い過去に置いてきた父母の優しさ、友達の温かさ、そして冷凍睡眠で命を繋いだ臨にもう一度会いたいという思いで医者になった大人の優からの立体映像…。

もうお分かりでしょう…泣 き ま し た !!!!!

優が!
とろくて勉強出来なくて本ばかり読んでファンタジー好きで隙あらばいじめられてたので臨が助けてあげてた優が!

『君は僕の英雄だった。いつも歯を食いしばって高みをめざす臨が、大好きだったんだ』
『もう少し足が速かったら、決意が出来てたら、目の前で車道を飛び出す君を止められたのに。部屋にこもったまま、一年間も思い続けて、ある日、決意した。
僕は君みたいに賢くはない。強くも優しくもない。けれど、やれるだけやってみようって。たとえ意識はなくても、君はまだ生きている。生きているなら、眠っているだけなのなら、未来にいつか、会える日が来るかもしれない。
次に君の前に立つ時き、恥ずかしくない人間になってようと。今度また、君に何かあった時は、迷わず駆け付けて、守れるような自分になってようと。
そして僕は―医者になった』
大人になった優と映像での再会。臨が目覚めた時代ではもう遥か昔の時代に優が残してくれた笑顔。
『中学生の頃の僕は、君の友達になるのが夢だった。でもね、そんなことは無理だって、自分から諦めてた。そばにいるだけでいい、弟みたいにくっついていられればいい、と思っていた。…でも、だけど、今の僕なら、君の隣に並んでも、恥ずかしくないはないだろう。もう、親子程かに年の差があるけどね。
臨、君は、僕を友達と読んでくれるかい?』
立体映像に向かって、黙って何度も頷く臨に、
涙腺崩壊。
『君がもし、大きな道路の真ん中で、道を渡りそこねているなんてことがあったりしたら、きっと、命をかけてでも君のそばに駆け付けて、今度こそ、君を助けるんだ』
死期が近い病床で、優は明るい笑顔で言った。
『また会おう』

やめて、泣くから!!!


ということでろくに感想なしの、殆ど内容引用ばかりでしたが…マジで児童文学侮ることなかれ。
作者さんが中に包み隠した、伝えたいものだとか、メッセージだとか、っていうのはある程度年齢経てから理解するもんだなぁ…と思いました。小さい時はファンタジーの魔法や冒険にしか目が向かないからね。

早く次の刊を…!


てか、主人公は臨なのに優ばかり話してるよ。
そして長いよ!
prev next
アーカイブ
プロフィール
翔さんのプロフィール
地 域 滋賀県
血液型 O型