作 和田竜


話題の本を香識さんから拝借して読み終わりました。ありがとうございます!

読めば読む程、残念でならないのが関ヶ原直前まで我が地元城主だった長束正家ですよ。
いいところ見つからないな!寧ろ読んでて腹立つよ長束!
そりゃ地元でワッショイしないはずだ。隣町の蒲生氏郷に比べてなんて小さな人物(そこは比べなさんな)
関ヶ原後に逃げ延びてきたものの、城は既に敵の手の内で仕方なく日野のある谷で自害した長束。
臨月だった奥方も城を脱出したものの、地元衆に助けてもらえずにようやく家臣の一人に助けてもらえが、産後の肥えが悪く若くして亡くなったという石碑が地元にあります。
妊婦さんは助けてあげなよ地元衆!とか思いましたが豪族の集まりで一枚岩という訳ではなく、徳川や豊臣、さまざまな武将に分かれて仕えてたみたいなので仕方ないのだろうか(『新説戦乱の日本史・関ヶ原に散る』で傭兵として地元衆がちらりと掲載。7頁)
どちらかというと城を築城した中村一氏に優しい地元。お菓子も家紋のがありますし。
しかしワッショイするならば、和田惟政がいいなあ…。
一応地元出身とされてますが定かではない。和田姓の豪族は確かに居ましたが。
和田惟政いいよ!将軍を持ち上げる為に明智と頑張ってたし人柄いいし宣教師に優しかったし!
惟政が亡くなった時にあのルイス・フロイスが泣いたんですよ!
フロイスが泣いた!(二回言うな)
しかし知名度は低い。残念だー。

話戻して長束。そんなに見向きもされない長束ですが、地元の春の祭前には城があった山に登り、長束を参るそうですよ。
よかったね長束!

のぼうに話を。
もうなんていうかこの清々しさ!とにかくカッコイイ!長束以外は全てカッコイイ!
三成にしろ大谷さんにしろ忍城方にしろ、本当に皆素敵で、すごく読みやすかったです。
何回格好よさに悶えたことか。
そして何回長束に腹立ったことか(やはり長束…)
歴史関係の本って資料の羅列や記録みたいなのとか、堅苦しいような文章で構えてしまいがちなのが多いですが、この『のぼう』はそんなことなくてさらりと読めました(それでも読み終わるのが遅かったのはただ単に自分個人の問題…)
本当に面白かったです!





2008.07.21