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奇跡の一本松が生き残った意味

震災から一年半が過ぎた今日、岩手県、陸前高田市、高田松原の奇跡の一本松が伐採されました。
七万本の松の中、一本だけ残った樹齢270年の松。
この一本松に寄せる震災とあの大津波を体験した方達の思いは私などが言うまでもないことですが、塩害によって枯死してしまい、一度伐採されることになりました。
その後、モニュメントとして加工再生され、元の場所にまた立て直されるのだそうです。
ネットでも賛否両論あるこの計画ですが、私はふと、この話に福島の白虎隊の話を思い出しました。

白虎隊というのは戊辰戦争の最中、激戦地となった会津藩で戦った少年達で、これもドラマにもなった有名な話。
内容についてあえて語るのは避けます。
戦火の中、自ら死を選んだ少年たちの一途さと悲劇は今も私達にいろいろな事を教えてくれますが、この話が伝え残されたのはただ一人、自刃した白虎隊士が生き残り、その伝説を後世に伝えたからでした。

奇跡の一本松も、ある意味生き残った白虎隊士と同じ。
勿論、自ら命を絶った彼らと同一視はできません。
でも、やはりダブるものがあります。
自らの力ではどうにもできない悲劇の果て。
共にあった仲間は既に亡く、本当は共に逝きたかったかもしれません。
生き残ったことでかえって苦しい思いをしたことでしょう。

でも、それでも周り全てが廃墟の中、たった一本でも生き残ってくれた命があったことが、どれほど多くの人々に希望を与えたか…。
私ですら、震災後初めて見たあの松の写真に、その奇跡に心が震えました。
人々を勇気づけ、あの震災の脅威と、それに立ち向かう意思の象徴のように最後までたち続けた奇跡の一本松。
安らかに眠らせてあげて欲しいと願う反面、私はやはりこれからも立ち続け、あの震災を後世に伝えて欲しいと思わずにはいられません。

残念ながら斃れる前の松を見ることはできませんでしたが、もし再生されたらその時はぜひ見に行きたいと思います。

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