作 新沢克海
講談社BOX


DEVIL SURVIVOR2 THE ANIMATION 公式ノベライズ。
デビサバ2はヤスダスズヒトさんがキャラデザというだけで全く前知識なしでアニメを見ておりました。ゲームのアニメ化というのは後から知りましたし、2ってことは1もあったんだなーとも後から知りました。
アニメの方ではなんだかんだで、最終回泣いて見ました。このアニメの死亡フラグが強固過ぎて、途中からは「マジか…」と何度呟いたことか。アニメではヒビキもヤマトも、ジュンゴも好きです。

さて今回はそのヤマト、ジプスの局長である峰津院大和が一応メインの、『<古よりの盟約>の日』より少し前のお話。ジプスと対立する組織を洗い出すべく、内部調査に一人の少年を潜入させるのですが…。
プリクエルってなんぞやーとぐぐったら『前日譚』らしいです。読み終えてからタイトルに納得します。というか前日譚って知ってたらそのまんまやんと思うかも。

まー我ら(?)が局長の心のないことないこと。
アニメでも最初はそんな感じだったので分かってはいましたが、冒頭のは普通に、マコトさんに接してあげなさいよ!と思いながら読んでました。でもまあ、政治家の汚い手を威圧しただけでもおいしいですね!局長はそういうとこ潔癖だと思います。大人の汚い、或いはクズな所を見下し嫌悪するという。
マコトさんとフミさんとオトメさんが三人で女子的な集まりしてたのは楽しかったなー。アニメではオトメさんだけ名古屋組に組み込まれてしまっていたからそういう面はすごく貴重に感じました。オトメさんがナースはわかるけどなんでフミさんチャイナなん…?と思っていたらそういうことか。オトメにはあまり辛辣なことを言わない局長まじかわです。
最初と最後だけアニメのメイン三人がちらっと出ましたね。もう!局長はもっと早くにヒビキと出会えってばよ!!

作中で、これまで付き従っていた水神茂久はヤマトのことを『絶望の象徴』といいます。人は目標からあまりに遠いと絶望する生き物。何もかもが規格外過ぎて、ヤマトを超えようとは思わない。そして、あまりに、孤独すぎる、と。
それとは異なる場面で、その息子の八生はヤマトを『希望の象徴』といいます。ヤマトのような人がいるというだけで希望が持てた、遙かなる高みにいる人を目指して頑張れたと。
アニメの中ではマコトはヤマトを『生きがい』といいます。
これらは、確かにヤマトを見ての言葉なのですが、ヤマトを自分とは別枠に見ての言葉。花束が返されてしまったのはそれらがヤマトに届かなかったから…ではないでしょうか。
アニメの中で、ヒビキだけがいいました。『友だちになろう』と。
ヤマトがヒビキに興味を持ったのは確かにサマナーとしての能力もあったのでしょうが、それよりも対等にものを言うという存在が純粋に珍しかったのだと思います。対等にものを言い、怒りをぶつけてきて、最後には決着の相手になる唯一無二の存在。ヤマトを絶望とも希望とも尊敬とも見ない、一人の人間としてみてくる存在。きっとそれを心のどこかで求めていたはず。

だから局長はもっと早くにヒビキと出会えってばよ!!!(二回目)

すごくその辺りをもだもだしながら読んでました(笑)
ヤマト好きとして楽しかったです。