「いつだって君を見ていたいんだ」


パーセプターがぼそりと呟き、ゴツンと音をたてて肩に寄り掛かってきた。
甘えでもない、睦言とも違う。真摯な響きに押し黙り、自分は、その告白じみた言葉に何と返すべきなのだろう?そもそもパーセプターは、なんの意図をもって自分にそんな事を言ったのだろう。と考えてみるが、ドリフトには一向にわからなかった。
ただ恋人の重みと、あたたかな温度を肩に感じながら、自分は、想われているのだ。という事を沁々と思った。

「君を箱にしまっておけたら良いのに。と」
「標本みたいにか?」

茶化したつもりだったが、パーセプターが大真面目に頷き返して来たので、また押し黙ってしまう。
恐れからではない、それがとても良い考えに思えてしまって、自分でも驚いてしまったからだ。

「真綿にくるんで、硝子の蓋をかけて他の誰にも見えないように、鍵をかけてしまっておきたいよ」
「あんたがそうしたいのなら、俺はかまわない。だが…」

 俺の好きな時にあんたに会えないのは困りものだな。
 そう答えると、パーセプターは少し残念そうに横目で見やり、肩を竦めて寄りかかっていた体を起こす。

「パーセプター」
「なんだい?」
「俺はけっこう本気だぞ」
「私は冗談だったがね」

ただの戯れだよ。

その割に淋しそうな横顔をするものだから、俺はもう一度、好きなようにして
構わないからな。と言って、パーセプターを強く抱き締めた。