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産地偽装とFUKUSHIMAスタンダードという言葉

農業と多少なりとも関わりを持つ者にとってセシウムさんの事件は未だ記憶から消し去ることのできない悪夢ですが、最近、また岩手県産のお米についてトラブルがあったようです。
なんでも神戸のJAが岩手県産のお米8割と神戸のお米2割を混ぜて神戸産のお米として売っていたとか。
被災地支援の為売り上げを伸ばしたかったとのことらしいですが、正直迷惑な話です。
岩手の方が本当に気の毒です。
これでまた「危ないものを売っているから隠すんだ」というように攻める方が出てくることでしょう。
米どころ東北のお米は本当に美味しいのに…。

以前から何度も書いていますが、福島産のお米を例にとればその8割が未検出。2割が100ベクレル以下、残り1割が100ベクレル以上、もしくは基準値超えということになります。
岩手ならきっと9割以上が未検出であろうと思われます。
でも、今年は福島のお米は全般的に例年以下の値しかつかなかったようです。
会津の一部地域や、インターネットなどで販売しているところを除いては安く買いたたかれたとも聞いています。
で、そういう米を安く買って外食用のご飯に使ったり、シールや袋を変えて別の地域のお米として売ったりしている悪徳業者は確かにいるかもしれません。
でも、福島や岩手、宮城の人が売らんがためにそういう事をしているとは思わないで欲しいと思います。
殆どの農家の人は昨年のお米は出荷しない選択をしたり、自分達で消費したり、どんなに安く買いたたかれても我慢して、今年の田植えの準備をしているのですから。

田村市の震災復興計画を先日見る機会がありましたが、その中にFUKUSHIMAスタンダードという言葉がありました。
国際的合意と信頼に基づく食品の検査基準FUKUSHIMAスタンダードを設けて、安心、安全な農産物を出荷しようということらしいです。
福島県ではかなりの農産物が放射能検査を受けていますが、他県は調査が行われているのはごく一部だと聞きます。かえって、ちゃんと調査されている分福島県産の物の方が安心できるという事もあるかもしれません。


先のインターネットのお米業者さんは販売する米の調査を行って、それをHPに公表しています。
地元のヨークベニマルでは自主検査を行うとその体制を貼りだしていました。
福島県の人間の多くは気にしませんが、放射能がまだ気になる方は多いでしょう。
そんな人たちに安心して貰う為、福島は加害者だなどと後ろ指さされることのないように、震災2年目の今年福島の農は発想の転換を求められているのかもしれません。

別に福島県産が嫌であるなら、無理に買ってくれとか食べろとか言うつもりはありません。
でも、福島県産であるというだけで、拒否するのは止めて欲しいと思います。

きっと岩手の方も同じ気持ちではないでしょうか?

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