都路の灯まつりは震災前から行われていたもので、竹筒ろうそく1万本以上に灯りを灯す幻想的なイベントでした。
例年は都路のグリーンパークで行われていたのですが、昨年は都路一帯が緊急時避難区域に指定されていた為に中止。
でも今年はグリーンパークは比較的線量が今も高いので今年は中学校のグラウンドでもあり除染が進んだ都路運動場に会場を変えて行われていました。
駐車場にはメッセージが書かれたろうそく提灯で作られた「絆」の文字。
少し上った丘の上の会場には見渡す限りの竹筒ろうそくが美しく並んでいました。
日中のイベントでは大泉逸郎氏のライブがあったり、玄場外相が訪れたそうです。
私が仕事を終えて来たときはその手のイベントは終わって、夜のクライマックス。
松明点灯と夜のステージイベントになっていました。
グラウンド一面に広がる竹筒ろうそくの灯りは美しく、ゆらゆらと灯りが風に揺れているのもまた幻想的でした。
ろうそくが消えた竹筒は地元の子供達が火を持ってチェックして点けなおしていたようです。
これにけっこうはまっていた子も多く、灯りは終了まで幻想的な光を見せてくれました。
この会場は山奥と言ったら失礼ですが本当に細い道をかなりいく夜はけっこう怖い道のり。
知らない人が一見で来るのは大変なのでどのくらい人が集まってるのかなあ、と思っていましたが本当に思った以上に人が来ていました。
都路には知人も多いのですが、その人達とも顔を合わせおしゃべりもできました。
船引の仮設住宅からバスも出ていて、都路の人達はかなり集まっていたようです。
屋台を出していたのは殆どが地元の商工会や婦人ボランティア関連。
どのくらい人が集まるか解らないから〜。と仕入れをやや抑えめにしていたとの話。
ですが、ふたを開けてみれば思った以上の人と売れ行きで完売続出。
夜のイベントの頃には唐揚げもコロッケもけんちんうどんも枝豆も全部売り切れてトン汁くらいしか残っていなかったようです。
「たくさん残って持って帰って宴会の予定だったんだけどなあ」
と口にしていた人も。嬉しい誤算というやつですね。
震災後、都路の学校はまだ再開のめどが立っておらず、船引で廃校の学校での間借り暮らしをしています。学校施設などの除染は済んでいるようですが都路の放射線量は田村市内ではやはりやや高め。
子供を持つ保護者の不安から、今年は再開を見送ったという事でした。
加えて都路はコンビニも大きなスーパーも殆どない本当の山の中なので、一度町に出てしまうと不便な生活に戻りにくいというのはやっぱりあるかもしれません。
子供が戻らないと、村に人は戻らない。
でも、子供の為を思うと村に戻れないというのが都路の抱えるジレンマです。
帰ってもいいと言われているだけまだいいのでしょうけれど。
でも、お祭りで再会した人達はみんな都路が大好きで、こうして集まってくるのですから都路はきっと元通りになると信じます。
そして、いつか他の警戒区域もと祈っています。
ステージイベントのラストを飾ってくれたのはMax音楽隊の皆さん。
東京で音楽活動をしている人達で、AKBのダンスや松山千春などを楽しく聞かせてくれました。
ラストの「YMCA」も人数が減った中にもけっこうな盛り上がり。
見ている人を楽しませ、元気づけてくれたと思います。
アンコールぜひ聞きたかったですね。
花火も上がり、とても楽しいイベントだったと思います。
…ただ、一つのことを除いては。