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自主避難する覚悟

昨日の事への補足に近いことになるのですが、あちらこちらで被災三県だけでない自主避難の方達の話を聞くことが有ります。いろいろなHPでもそんな意見を見ることができます。
私が聞いた自主避難から戻ってきたある方のお話。

「震災直後、放射能の影響が怖くて、子供を守らなければという思いだけで、仕事、友人、祖父母などを全て捨てて自主避難をしました。
様々な支援はして貰いましたが、それでも0に近い所からの新しい生活は貯金を切り崩しながらの厳しい生活でした。
自主避難者に対しての支援がもっと欲しいと心から思いました。
苦しい生活の中、繰り返しの転校や生活面での我慢を子供にも強いてきました。
笑顔がなくなる子供の姿に、故郷に残っている友人の子供が放射能を気にせず楽しげに生活している姿を思い
(子供の為の避難であったのにこれでいいのか)
と何度も思いました。

(でも、自分達は間違っていなかった。健康の為正しい選択をしたんだ)
そう自分に言い聞かせてきましたが、ある日、気が付きました。
自分が「正しい選択であったと思える日が来る」ということは福島の家族、友人などが「放射能で健康を害する事態になるのだ」ということ。
そして、自分自身がそれを心のどこかで期待するようになっていたのだということに愕然としました。
その後、故郷に戻ることを決意しました。
自分達だけ良ければいいという思いで知らない場所で寂しく暮らすよりは、大切な人達と一緒に悩み、考えながらも楽しく暮らすことの方が健康的に暮らせると思ったからです。
今も放射能に対する不安や恐怖はありますが、皆で乗り越えていきたいと思っています」

自主避難には覚悟が必要です。
ある意味、残るよりもずっと。
自主避難してそれで全て解決なんてことにはなりません。
今も、自主避難した人達の多くが故郷への罪悪感や、家族、地域、友人とのわだかまりに悩みながら困難な生活を送っています。
自主避難している人に支援を、と言う意見にだから反対はしません。
けれど、支援をして貰えるのは金銭面などくらいなもの。
カウンセリングなどはあっても最終的な決断を行い、その責任をとるのは自分自身です。
行くか、残るか、良く考えて選んで欲しいと思います。


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