(P3P/P3主/嬢)

名前固定でP3主=有里湊

前回の続きのようなそんなん







自室のクローゼットが、不思議な場所に繋がった――夢を見てから数日。

あの日以来何度か覚悟してクローゼットを開ける習慣がついてしまったが、クローゼットがあの場所に繋がったことはない。手を伸ばしてもクローゼットの中身はいつも通り洋服や小物があるばかりで、空間が歪むとかファンタジーありきな展開は一度もなかった。
つまりは夢。現実ではなく私の脳が疲れて作り出した幻覚だったのだろうと最近は開き直っている。はた迷惑な白昼夢に、振り回された数日を考えれば溜息ものだが、今思えば「クローゼットがどこでもドアでした」みたいな展開はどこぞの漫画や小説の起承転結の起のようだ。…いよいよ二次元と混同してきたか。心当たりがありすぎて最近は自重することにした。

が、世の中どうもそう上手くいかないらしい。



コンコン


「――え、」



クローゼット事件(仮)のことを忘れかけていたある日、部屋でダラダラしているとノック音が聞こえてくる。部屋の扉だったら問題なかった。きっと母親か誰かだろうから、返事をすれば済むこと。

問題なのは、寝転がっていたすぐ横にある、クローゼットからそれが聞こえてくることだ。



コンコン


「――ッ!」



もう一度聞こえてきた。今度は聞き間違いじゃない。ハッキリ聞こえてしまった。体はビクリと跳ね上がった。

何、何なの。何でクローゼットからノック音が聞こえてくるの?

例の件からクローゼットは隈なく調べたが、あそこに穴は空いてないし、そもそも物が溢れかえっていて人は普通には入れない。そこから聞こえてくるノック音。これ、なんてホラー!?ファンタジーとは打って変わって恐怖感を煽る演出に泣きたくなってきた。
親、母親を連れてくるべきか。でもなんて説明すればいいのかわからない。二度目のノック以降、クローゼットは静まり返っていた。



「……」



前は人が3人いた不思議な空間。そして今日はノック音。うちのクローゼットはどうなってしまったのだろうと疑念と恐怖を抱くしかない。
音が止んで暫く経つ。もう、変なことになってないよね…。普通の、いつもの中身じゃないと困るから確認しようと立ち上がる。だけど好奇心もあるのは確かで、念のため防犯のために立てかけてあった箒を取り、クローゼットの扉の前に佇んだ。ノック音どころか、変な音も聞こえてこない。
震える片手を取っ手に重ね、汗ばみながら握りしめる。もう片方は箒を握り、防御の為に体を寄せた。慎重に扉を開ける。
見えるのは服と、小物――の筈だった。



「――あ……こんにちは」

「こ、こんにち、は……?」



視界に写ったのは、いつもの中身でなく、以前見た青を基調とした不思議な空間。
そこにいた少年は以前も存在していた人で、挨拶されて思わず返す。そして奥にはこれまた前回いた人間なのかと疑ってしまう老人と人形のように綺麗な女性がいて。

――完全に別の空間と繋がっている。
私は部屋着のまま箒を片手に構えるという間抜けな格好のまま、盛大に固まるのだった。





こんにちは、二度目まして





(おや、やはり繋がったようですな)
(あらあら、マスターでも私でも開かなかったですのに。ふふ、やはり貴方は不思議なものですね)

(つな………は……え?)

(ええと、どこから説明すればいいのか…)





ノリで書いたP3P夢の続き。今回もノリです。若嬢のつもりです。
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