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ロイドくん(TOS)と義姉とDVなお話@SS

(TOS/ロイド)

・ロイド夢が読みたくて自給自足したブツ
・夢主はロイドより先にダイクさんに拾われたロイドと同い年の女の子で順番的に義姉(自称)
・実は現代トリップ&幼児化で現地に適応するため戦えるよう頑張ってるよという地味に長い設定があるけど今回は割愛
・ロイドくんの特別ってなんだろう、から発展した謎のDVがあるのでお察し下さい

・漫画版EXのショタロイドくんは世界遺産


色々堪えられるひと向け





「ひっ、うえっ、うええ、おとーさん、おかーさん…!ひとりはやだよぉ…!」
「大丈夫、ロイド。大丈夫だよ」
「う、うえっく、」
「私が、お姉ちゃんがずっと傍にいてあげるから。大丈夫、ひとりじゃないよ」
「おねえちゃ、」
「うん、大丈夫だよ」



――そう、遠き日のあの頃、甘えん坊で泣き虫で、抱きしめてポンポンと背中を撫でるまで泣き止まなかった我が愛しの弟。私の後にドワーフであるダイク父さんが連れ帰ってきた、小さかった弟。暫く「おねえちゃん、おねえちゃん」とヒヨコのように背後をついて回ってきた、可愛い可愛い弟。

ダイク父さんに負けないくらい愛情注いで説教もして大切に大切に育てたはずなのに。それが今では、どうしてこうなってしまったのだろう。


「あ、ロイド。今日も学校行くの?」
「行くの?ってナマエもだろ。早く準備しろよ、リフィル先生に怒られちまうじゃねーか」
「え、私今日イセリアには行かないよ。お父さんのお客さん迎えにトリエッタにったああ!?なんで!?なんで殴るの!?」
「親父ー、俺今からトリエッタ行ってくるわ」
「ええ!?私がいくからロイドはがっこうぎゃあ!?」
「しゃーねーな…二人で気をつけていけよ」
「お父さん!?」


あの頃の天使は果して何処に消えてしまったのかと本気で悩んでたまに眠れなくなるくらいここ最近の私は真剣に考える。真剣に、真剣に考えてそれでも帰ってこない天使に泣きたくなる。
殴る、蹴るは当たり前。理不尽だと訴えれども周りは何故か呆れるか微笑ましそうに見守るかで、当の本人からは追撃があるからたまったもんじゃない。戦闘だって補助ぐらいはできるのにいつもいつも邪魔者扱いで一人で家を出るのも許してくれない。そんな彼は、かつて天使だった私の弟。


――ああ、どうしてこうなっちゃったんだろう。


殴られた頭をさする間もなく腕を引きずられノイシュと共にトリエッタに向かいながら、いつものことだが泣きたくなる。
せめて、弟は私が守る。そう思いながらいつものように前に出ようとするが、次の瞬間飛んできたのは斬撃で、踏み出そうとした足の直前を通り過ぎていったそれに立ち止まると、弟はいつものごとく笑顔でいうのだった。


「悪い、手が滑った」



私の弟は天使でした。――今は悪魔です。




悲劇的ビフォーアフター





(ロ、ロ、ロロロロイドの馬鹿あああ!!もおおおなんで毎回毎回魔人剣私に向かって打つのよおおお!?)
(だから手が滑ったっていっただろ?最近ナマエ太ったからな、モンスターに見えてうっかり斬っちまいそうになるんだよ)
(ふとっ!?た、単にロイドが下手くそなだけじゃぎゃあっ!!?)
(ああ悪い、足元に虫型のモンスターがいたから、つい)
(つい、で虎牙破斬すんなああああ!!!)



知識の子が理解できない子(デジ)@SS

(デジモン/光子郎)


フラグが回収されたので仕方なく
行き当たりばったりこええ…






「目の前に最新型のパソコンがあります」
「…いきなりなんですか、なまえさん」
「いいから黙って聞く」


遊びに来たと思ったらなんの脈絡もない唐突な切り出しに呆れていうが、躊躇もなくずかずか異性の部屋に入ってきた彼女は真顔のそれを崩さない。寧ろ珍しく真面目な顔をして押してきており、光子郎は仕方なくパソコンに向かっていた身体を離し部屋のど真ん中で正座をするなまえを正面から見る。


「それで…ええとなんでしたっけ」
「今、光子郎くんの目の前に最新型のパソコンがあります」
「ああ、そうでした。……それで?」
「触りますか、触りませんか」
「はあ……?」


意味がわからない。相変わらずのその真顔は崩れず、だが珍しく真面目なようなので光子郎は呆れながらも仕方なく真面目に考えてみる。
ちなみに今まで触っていたパソコンは光子郎カスタマイズの少し古い型であり、なまえがいってるのは最新型。きっとこれよりスペックが高く、今まで以上に活用できるのだろう。きっと目を輝かせて触って調べまくるに違いない。自分のことながらネットジャンキーっぷりを理解している光子郎は、迷わずいう。


「触っていいのであれば、触ります。ついでにスペックも確認できて自分好みに改造なんてできると嬉しいです」
「…そう」
「……あの、なまえさん。一体何を」
「じゃあ、テントモンが目の前に出てきたらどうしますか」
「……よくわからないけど、いきなり現実世界に来たらビックリします」
「触りますか、触りませんか」
「……そりゃあ、再会するのは嬉しいですから触りますし。何よりテントモンから飛んできそうですけど」


意味が、さっぱり、わからない。
質問の意味もさることながら、だんだん真顔だったなまえの眉が歪んでいくことも不思議でならない。光子郎も呆れながらだが真面目に答えているのにこれはどうしたことか。昔から、出会ったときからなまえはそうだった。どんなに知識があって知欲があっても、なまえのことを全て理解できたと思えたことは、きっと今までありはしない。太一らも突拍子のないことをするが、なまえはそれ以上だ。そしてわからないところで不機嫌になるものだから、たまったものではない。
だが、そんななまえのことだからこそ、光子郎は一つ一つ知りたいと思っている。勿論、無意識によるものだったが。今もただ、なまえがこうなった理由を回転の早いそれでただひたすら困りながらも考えている。
せめて、不機嫌になることだけは回避できないだろうか。そう光子郎が仕方なく話を切り出しかけたとき、なまえは相変わらずの真面目な顔で、先程よりも緊張した様子で、言葉を紡いだ。


「じゃあ……みょうじなまえが目の前に出てきたら、どうしますか」
「―――は?」

「――さ、触りますか。触りませんか」


何を、といいかけた光子郎の視界に入ったなまえは、真顔が完全に崩壊し、寧ろ緊張しきっているそんな表情で。更にいうといつの間にか顔が赤くなっていたりして。


「――っ!!」


答えが、なまえのことがわかった、その前に、光子郎は自分の顔も、彼女のそれが伝染してしまったことに気付いてしまった。





Do You Touch Me ?





なあにこれえ…(久々に以下略)

ゼロスが好きな可愛くない子(TOS)@SS

(TOS/ゼロス)

特に何も考えずにかいた嫁さんリクのブツ
私はゼロスに何か勘違いをしている







美人で強くて権威があって、周りにはいっつも綺麗なドレスを着飾った貴族の女の人がいて、軽薄でお調子者で―――それでもどこか芯の脆い、そんな弱い人がいる。

最初の方だけ知ってればよかった。そうすれば私はこんなにも毎日毎日あの暁色を目で追わなくて済むのだから。
気付かなければよかった。だってたまに影を落とす彼の瞳には私なんか映りっこないんだから。
気付きたくなかった。無理矢理笑顔を作る姿に、心の奥で感じた、その愛しさを。




「はあ…」
「ん?ため息なんてらしくないんじゃねぇの、なまえちゃんよぉ。困ったことがあるなら俺様相談に乗っちゃうぜ〜」
「……ゼロス」
「相談料は勿論、ちゅー一回でどうよ!」
「死にさらせアホ神子」


いつもの調子で身体をくねくねさせながら「なまえちゃんってば辛辣!酷い!」なんていう姿には普通であれば呆れと苛立ちしか立たないはずなのに、それでも本当に笑ってる様子に安心している自分がいる。もう重症だ。出会ったころであれば、腐った林檎を見るような目で見るのが当たり前だったのに、なんてこった。これがフィルターってやつなのか。
明らかに異常をきたしている脳内に愕然とし、思わず頭を抱える。口からは潰れた蛙の鳴き声みたいなものが勝手に出てきて、くねくねしていたはずのゼロスが「えっマジ悩み?」と真顔になったのが声を聞くだけでわかった。ああきっと珍しいかっこいい顔してるんだろうな。見たいけど直視したら沸騰しそうだからなんとか堪えて、とにかくゼロスをどっかにやってしまおうとぽつぽつ声を出す。

「……なんでもない」


出てきた声は女の子らしくもない低くて小さな苦渋を含んだそれで、思わず言ったそばから可愛さのかけらのないそれに叫びだしそうになった。もっと、もっと可愛い声だせばよかった…!ばかだ私このばか!
ただでさえ女の子扱いはされないっていうのにと遅い後悔をして更にへこみ、体育座りをして膝と胴体の間に顔を埋め込む。生まれ変わったらコケになりたい…。こいつが好みの可愛い女の子になれるとは、到底思えなかった。


「なまえちゃーん…」
「うるさいばか」
「おーい?ちょっとマジどーしたんだよ」
「どうもしないわよばか」
「…泣くなら俺様の腕の中でお泣きよ☆」
「泣いてない!ばか!」
「ばかばかいってると可愛くなくなっちゃうぜ?」
「……どうせ可愛くないもん」


そう。私は可愛くない。こいつの取り巻きの女の子みたく綺麗な服やアクセサリーは似合わないし、スタイルもよくない。おしとやかにするよりどうしてもばたばた動き回ってついたあだ名は『猪娘』。髪の毛だってツヤツヤのふわふわじゃないし、ゼロスの髪の方がよっぽど綺麗だ。しかも、こんな悪態をつくしか自分を保ってられない。中身さえも可愛さのかけらもない。それが私。……無謀にもほどがあるよなぁ。
なにぶん事実なだけに、ぐさりと胸にささって更に気分が落ち込んでゆく。せめて、ああそうだ、コレットみたいに天真爛漫で、リフィルさんみたいに頭がよくて、しいなみたいにスタイル抜群で、プレセアみたいにおしとやかで…私も何でもいいから女の子らしさがあればよかったのにな。
ゼロスはさぞかし引いただろう。ボソボソ呟くのが聞こえたんならそのままあっちにいってくれないかなって少しばかり心臓がズクズクするのを堪えながら悪態ばかりついていると、ふと頭の上に重いものがズンッと乗せられて体制を崩しかける。わっ、と慌てて顔を上げようとすれば、余りの重さに無理だとわかる。


「な、なに!?」
「俺様、なまえがなーに悩んでんのか知らねーけどさ」
「は!?ゼロス!?」


下を向いている頭のすぐ上から聞こえてくる、いつもの低めの声にギョッとし、今ゼロスが背後から多い被さってきてかなり密着した体制であることに気付いてしまう。声が近い!背中が熱い!頭にまさか顎を乗せているのだろうか、たまにかかるぬくいそれが吐息だと気付いて、カッとなる身体が制御できず押しのけようとするが、


「ばっ、早く離れ」
「俺様を見つめてくるなまえの顔の方がよっぽど可愛いと思うんだよねー」


一瞬、本当にその一瞬、身体に力が入らなくなってしまった。



「うわお、耳真っ赤」


気付かないとでも思った?
その一言で我に返った次の瞬間。とっさに出た拳はにんまりとしていたゼロスの顔へ叩きこまれたのだった。





彼だけの可愛い子





なあにこれえ(久々に書いたのがこれで吐血)


『リベールの風と共に』

(軌跡/遊撃士)




国外からこのクロスベル自治州に入るためには、飛行船、鉄道、車の三経路が主であり、他国と陸続きのこのクロスベルでは海以外の全ての運路で行き来が可能である。交通の便がいいのはこの州の導力開発が盛んである証拠とエレボニア帝国とカルバード共和国に挟まれた存在だからということもあるが。飛行船以外の経路は必ず帝国か共和国のどちらかを通ることになり、今回帝国からここに来る予定の人物も、自国にはない鉄道を利用してこちらに来る手筈となっていた。


「ええ…そうですか、警備隊が…」


目的の人物を迎えようと駅構内のベンチに座りながらエニグマの通信機で会話していたユウリは、言葉を途切れさせることなく腕時計を見る。到着時刻はそろそろな筈だ。駅のホームに続く通路に目をよこすと既に列車は到着していたらしく、乗客が何人か通路をこちらに向かってきている。見知った顔はないようなので、通信機で会話を続けながらベンチから立ち上がり確認しようとしたそのとき、こちらに向かってくる元気がよく明るい声を耳にし立ち止まり、目をそこへ向けた。自由に靡く茶髪のツインテールがちらつき、彼女もその後ろに控えていた黒髪の少年も見慣れぬ景色の中でユウリの姿に気付いたのか、表情を明るめこちらにかけてくる。ユウリはそんな二人の様子に、わかりやすく顔を緩め片手を上げると、エニグマに意識を戻した。


「すみませんビクセン町長。ええ、ではまた後日必ず伺いますので……はい、いえ。それでは失礼します」

「――すっごいわね!それがエニグマに新しくつけられたっていう通信機!?」
「クロスベル自治州内では実用化可能だって聞いてたけど、普通に使うところを見るとやっぱり違うものだね」
「二人にも遊撃士協会いったあと使い方教えるわよ―――久しぶり、エステル、ヨシュア。三ヶ月ぶり?」
「そ、んなあっさり…」
「…君も元気そうでなによりだよ」


接続を切った通信機から手を離し改めて二人に顔を向けると、どこか疲れた様子の少年少女はユウリの顔を見て肩を落としている。
大きなリュックと背中に身の丈ほどの棍を携え長いツインテールを揺らす少女、エステル・ブライト。華奢な体型だが重そうな刃渡りの短い双剣を携え琥珀色の柔らかな視線を向けてくる少年、ヨシュア・ブライト。ユウリが一人のS級遊撃士に指導を受けるべく向かった先のリベールで、数年間共に過ごし共に戦い共に苦難を越えるべく歩んできた、大切な存在であった。
道が違えてもそれは変わらず、二人互いに欠けることなく共にいるのを見るだけで、穏やかな気持ちになることができるのはやはり特別だからだろう。二人もそれは同じなのか、仲間との再会だけではない、安堵や安らぎに近いものが滲み出ているのがわかる。
一年前の騒動が終わりを継げたとき、三人ともリベールを離れ、ユウリは見聞を広げるべく単独で各地を旅し、同じくエステルとヨシュアもとある目的の為に二人で大陸中を転々としていた。ユウリのいう以前再会した三ヶ月前というのは、そんな互いに離れた土地にいる最中、現実とは違う空間で予期せぬ事態によるものであり、そのときも今ではリベールの異変と呼ばれる騒動のときに近いくらい死力を尽くしたものである。特に、ユウリは文字通り死力を尽くす事態に巻き込まれ、エステルとヨシュアは肝が冷える思いをしたものだが――こうも実際あっけらかんとしている姿を見ると、あれだけ心配していたのはなんだったのだろうと思わなくもない。軽い口調のユウリに、怒るよりも先に呆れるしかなかった。


「ちゃんと無事に返れたって通信機でも連絡したじゃない」
「あったり前でしょ!?あんな姿で再会してまた危険なところに戻って、心配しない訳ないわよ!」
「通信機越しだと誤魔化されるかもってとこがまた不安だったんだよ…」
「ったく、他のみんなからも引っ切りなしに連絡やら手紙やら届くし、入院してる間は知り合いが引っ切りなし。私の周りは過保護ばっかか」
「「心配かけるユウリが悪い」」


今まで散々クロスベル内だけでも口煩く言われてたのに、こう直接ステレオで叫ばれるとどうにも耳が痛い。顔をしかめたユウリはそろそろ周囲から注目されるのにも限界であり、とりあえず駅を出るわよと二人に促し、出口を目指す。不満そうなエステルと「逃げたな…」というヨシュアの呟きには気付かなかったことにした。


「ところでさっきの通信は大丈夫だったのかい?」
「ああ、そういえば。もしかして友達とか?」
「仕事の話。どうせ後で自治州内回るんだろうから案内ついでにでも紹介するわ」
「ちょっと、こんなところでも仕事!?」
「ユウリ……ミシェルさんに、君がワーカホリック気味だって聞いてたけど、まさかここまで」
「さあ、あんたら二人の新居に荷物置いたらさっさと協会向かうわよ」
「こら、逃げるなー!」


どうにも旗色が悪いことに気付いたのか、先ほどのこともありそそくさと外へ出ていってしまう少女に声を上げて追いかけるエステルの背中を見て、一人ヨシュアは頭を痛めながら荷物を持ち直す。
ヨシュアがよく知るユウリは知性も戦闘力も高く更に凄まじいのはその成長率である。今では離れた土地にいたとはいえ、パートナーであるエステルに近い信頼を預けられるような、実力だけ見たら独立していてもなんの問題ない人物であった。だが、どうにも周囲を心配させる癖があるのか、実力はあるのに自分を省みない危なっかしいところや周囲に全く弱音を吐かず抱え込むところが顕著で、正直猪突猛進気味のエステルよりも酷い。自己犠牲というほど徹底している訳ではないがそれにしたって彼女が強く反動を受けることが多く、一番記憶に新しいのは三ヶ月至宝の余波といえる空間での戦いのときだろうか。結晶化から解放された彼女の姿が血に塗れて真っ赤になっているのを視界に入れたとき、冷静であった筈のヨシュアの思考も何の役にも立たず、命が失われるという可能性に、恐怖に襲われ、暫く機能しなかったものである。
あの空間でエステルを含めた他の仲間たちにつきっきりで介抱されたこともあってか回復するのは早く、周りに渋られながらすぐに参戦してしたのだが、現実世界に返ったあとヨシュアらが一番にユウリの安否を確認したのはいうまでもなかった。


これからきっと、今まで以上に苦労するんだろうな…。


エステルとユウリ、二人の違う意味でのトラブルメーカーに挟まれる位置にいるヨシュア。今後の心労度に重い溜息を一人つき、既に外に出てしまった二人を追いかけるべく足を早めるのだったが、そのヨシュア自身数年前まではエステルとユウリに一番心配をかけられた人物であり、二人が聞いたら「「ヨシュアがいうな」」と両サウンドで返されるに違いない。
エステルはエステルで、元気がよく真っ直ぐといえば響きはよく周囲もその太陽のような明るさに救われることも多いが、如何せんそれ故にトラブルさえも引き付けてしまうことが多い。正遊撃士になってからは周りを見る目も養え以前よりは少なくなったものの、ヨシュアとユウリはそんなエステルを助けるべく、よくサポートに回っていたのはいうまでもなかった。


そんなそれぞれの穴を補い、それぞれ強い感情を向け合い、強い絆で結ばれた二人と一人は三人とも口には出さないが、他の二人に不安を覚えようともそれでも彼らがいればなんでもできる、そんな不確定だが絶対的な信頼をそれぞれ抱いている。
エステルとヨシュア、二人で一つとなることができる彼らに、一番噛み合い近くにいることができるユウリ。三人が揃うのが一番楽しみだったのは、遊撃士協会クロスベル支部の人間ではなく、その本人たちに違いなかった。







「さっすがユウリ!遊撃士協会に近いし部屋は広いし荷物も片付いてるし、相変わらず仕事早いわねー!」
「正直ユウリがいて助かったよ。暫くクロスベルに滞在する予定だったからね」
「まあ私にとってホームみたいなものだし。帝国だとトヴァルさんについててもらったんでしょ?あの人元気だった?」
「ユウリに聞いてたけど毎日毎日徹夜ばっかり。でもいっぱいお世話になっちゃった」
「アーツに関しては本当に色々学ばされたかな。ユウリもそうだったんだろ?」
「まあね、帝国には一ヶ月しかいれなかったけどお陰でアーツ使いがかなり上達したんだから。言っとくけど、ここに戻って私かなり強くなったわよ?」
「こっちだって!」
「はは、楽しみだ」


クロスベル市東通り。ユウリが用意したエステル、ヨシュアの新しい本拠地ともいえる一室に荷物を置き、長い列車の旅に強張った身体を漸くゆっくり伸ばせた二人は、既に整えられた空間に満足していた。
ユウリからしてみれば当たり前だったが、やはり二人からしたらクロスベルは未知の土地であり、普段他の土地に行く際には必ず遊撃士協会からのサポートはあるが、それでもこの地をよく知る仲間がいるというのは心強い。
だが二人からしたら、ユウリはリベールというホームを共にした家族のようなものである。クロスベルに馴染むユウリというのは、今更だが少し違和感を覚えてしょうがなかった。


「でもそっか、ユウリの出身地はここだったもんね。なんか変な感じ」
「それだけ僕らが一緒にいたって証拠なんだろうけどね」
「たったの3年でしょう?大袈裟なんだから」
「む、いいじゃない別に」
「悪いとは言ってない」
「素直じゃないんだから」
「ヨシュアに言われたくない」
「あ、そういえばヨシュアも帝国出身だったっけ」
「忘れないでよエステル…」
「エステル…」
「わ、忘れてないわよ!ただリベールにいたのが当たり前だったから少しうっかりしてただけで!」
「はいはい、うっかりね」
「まあ僕にとってリベールも故郷になってるからいいけどね」
「ほら!」
「はいはい」


勿論エステルがヨシュアの故郷であるハーメルの悲劇の話を忘れていた訳なかったが、こうやってその故郷の話をこうやって明るく話せるようになったのは一重に彼女の力によるところも大きいのだろう。そのことをよくわかっているユウリはヨシュアの笑顔に陰りがないことを当然のように受け入れ、そんな二人にヨシュアは辛いだけでなかった故郷の話をこうやって自然に口にだせることができる。それだけ、たったの3年といえど重くて深い時間を共に過ごしてきたからだろう。ユウリにとってもクロスベルは勿論だが、リベールが特別だということはいうまでもなかった。


「っていうかなんでユウリと同じ部屋じゃないの」
「逆になんで同じにするのか聞きたい」
「だってユウリ、一人暮らしなんでしょ?私たちもそっちでよかったのに」
「流石に3人は狭いから無理」
「そういえば何で一人暮らしなんかしてるのさ。実家近いんだろう?」
「別に深い意味はないけど、一人の方が仕事しやすいしね」
「ふーん?」


遊撃士というのは請け負った仕事によって不定期な生活をすることも多いから、普通の生活を送る家族に迷惑や心配をかけないようにそうするなんとなく理解はできる。だが、リベールのロレントに戻ったら必ず実家に帰るエステルからしたら、どこか納得がいかないような、寂しい気もしてならない。今度ユウリの家族と友達、紹介してね。そういうエステルに、時間ができたらねと返したユウリの様子は普段とかわりなく飄々としていた。


「じゃあユウリの家はまた帰りにいくとして、まずは協会に挨拶しにいきますか!」
「別に来なくてもいいんだけど」
「行くに決まってるだろ。言っとくけど僕らは君が無理しないよう見張るのも込めてここにきたんだから」
「はあ!?なにそれ聞いてないわよ!」
「ミシェルさんに聞いた」
「あの人はまた余計なことを…!」


苦言を呟きながら部屋を出ようとするユウリの様子にエステルとヨシュアは互いに顔を合わせ噴き出す。新しい土地なのにどこか懐かしいこの感じがそうさせるのだろう。
だからだろうか、二人と再会して気負いが減ったユウリが、この地に更に重い感情を抱いてることに二人は気付くことはなかった。




二つに分ければよかったかorz

アンフェア嬢 (探偵)

設定書き換え第2段。全部やる気(予定)で頑張ります。ジャンル毎は経過以外短め。ただし経過はガッツリ自分用メモ&長いんでご注意あれ。

探偵嬢中学と高校でれっつらどん。きっと絶対私の頭の中まる見えになります。この先の展開(予定)とか書き込み過ぎて大変です。
はっきり言おう、ネタバレのオンパレードだと。危険区域なのでどうかよろしく。


おけな方だけ以下へゴー








name:広瀬壱

age:12〜17(トリップ時 26)

person:
とりあえず元の世界に戻りたいけど訳わからんことに巻き込まれるのは面倒だから平和に過ごそうそうしよう精神で若干開き直りかけ。ただし原作とはいえ事件に巻き込まれるのは真っ平ごめん。公式CP万歳外から眺める傍観スタイルを徹底する元医師の隠れオタク。
ボケよりツッコミ。そしてM寄り。カミナリが死ぬほど嫌いだが人が死ぬのも死ぬほど嫌い。正義感はないが非情にもなれないどっちつかずのバランスを保つ。




record:(予定含め)

中1
・目覚めたら縮んで見知らぬ土地に住んでいる知る。米花町だった。絶望する。
・帝丹中へ入学。主要人物とクラスメートになる。そうだ、傍観しよう。決意する。
・工藤優作著を読みファンになる。その後喫茶店店主、仲里の陰謀により本人と遭遇。絶望する。
・白馬探のばあやと会う。あとから気付き絶望する。
・毛利蘭と鈴木園子に絡まれ始める。凄く絶望する。
・初めてのストーカー事件。犯人は工藤有希子だ!絶望する。
・秋庭怜子と顔見知りになる。なんか嬉しい。
・B級マジシャン黒羽快斗と出会ってしまい電番交換までする。死にたくなった。
・フリーダムな保健医のせい工藤新一とまともに会話してしまう。こちらから突っぱねた。セーフ。
・交通事故を目撃。麻生成実と出会う。キャラとは認識せず。
・有希子に連れられショッピング。妃英里に会う。絶望する。親がいないと初暴露。
・宮本由美から事情聴取のため麻生と再会。なんか話が合う。
・レモンパイを作り内田麻美に料理を教えて貰えるよう懇願される。
・仲里と旅行行く。行き先は京都。関西組いるわけねーよと油断し迷子。服部平蔵に助けられ絶望する。保護という形で服部静華・遠山銀司郎とも出会う。泣きたくなる。
・工藤にマネージャーに誘われる。死にたくなる。
・ジンと遭遇。地味にビビるが阿呆なことをいいスルーされる。なんか泣いた。
・黒羽から話を聞いていた中森青子、黒羽千景と会う。逃げたくなる。
・引ったくりにバッグとられ松田陣平に救われる。惚れそうになる。
・この頃から外堀埋められてる気がしてきた。なんか死にたくなった。


中2
・麻生ルートだと恋人になるかもしれない
・ばあや繋がりで白馬と出会う。
・スキー旅行で静華と再会。服部平次&遠山和葉と出会う。工藤夫妻に振り回される。なんだか雪山に埋まりたくなってきた。
・松田刑事殉職をきっかけに佐藤美和子と出会う。初めての人の死にトラウマみたいなのを抱くようになる。
・仲里に連れられ寺井黄之助の経営する「ブルーパロット」へ。ジイちゃんだと気付かずビリヤードを楽しむ。
・麻生が月影島で医師となることを聞く。麻生成実=浅井成実だということを思いだし生存ルートを作るならここがフラグの一つとなる…かもしれない。
・本格的に毛利、鈴木が近寄るようになり工藤も近付いてきた。人生やり直したくなった。


中3
・受験シーズン。帝丹高校に行きたくないが進学校に行く気もない。地味に迷う。


高1
・夏休み工藤夫妻に誘われ工藤、毛利と共にアメリカへ。飛行機で目暮十三、高木渉と初対面。事件解決まで寝てる。
・アメリカでシャロン・ヴィンヤードと出会う。殺人事件に巻き込まれるがその後銀髪の男として出会ったとき彼を手当てし、女神(Maria)と呼ばれるようになる。
・甲子園を見に行き大滝と意気投合する。その際港南高校と大金高校の試合を見て長嶋茂雄と稲尾一久のファンになる。「4番サード」は知らない状態。
・仲里と九州へ旅行に行った際とある事件に巻き込まれ越水と出会い探偵甲子園のためのフラグを立てる。


高2
・なんか色々本格的に巻き込まれ始めて萌と命の危機の板挟み状態となるのだった。続く。





捻り出すの面倒だから思いつくのだけ書いたぜぶっちゃけ数がやばい何であんなにキャラクター要るんですか青山先生…!
まあこんなものか程度に眺めていただけりゃいいよ。ただし予定は未定なのでお忘れなく。本当に忘れないでね(必死)
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