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『端っこの美味しさ』

(黒バス/アンフェア♂)

いい加減キャラクターと絡めよって思いながらできませんでした残念





なんで誠凜高校に入って影薄い水色頭見て黒バスやないかーいってツッコミながらバスケ部のマネージャーをしてるかというと所謂成り行きってやつだ。決して自分から進んでではない。決して。だってバスケわかんないし。三歩歩いてサイクリングレベルにわかんないし。赤い頭の不良みたく身体能力が高いわけでも「バスケ、好きですか」って聞いてくる女の子を好きになったわけでもない。
受験は既に終わっててなんか誠凜合格してて保護者が他校のバスケ部監督してて血のつながりはさっぱりとはいえ俺にとっても恩人だからいつか手伝えるようにこっそり誠凜バスケ部偵察しててうっかりミニゲームに魅入っちゃって更にうっかりバレちゃってなんとか逃げ出したけど翌日俺の家庭事情しっててなんだかんだ良くしてくれる武田先生と世間話してたら部活進められてじゃあ文化部でいっかーって思ってたら顧問だからってバスケ部進められちゃって「バスケできませんから」って必死に断ったのに「じゃあマネージャーはどうですか」って微笑まれて尊敬する先生の言葉に逆らえず仕方ないから一度だけ真正面から見学をと思ってたら女生徒監督以下部員に何故か歓迎されて見学中ベンチ周辺に散らばったタオルほっとけなくて片付けちゃったが最後女帝の推しに負けてしまったという訳だ。ほら自分からじゃない。なんだろう思い出すだけで泣けてきた。


そんな訳で日々雑用をひたすらこなしながらバスケの勉強も始めざるを得なかった俺だけど、バスケが好きな訳じゃないしイマイチルールもわからないので部員とは特別仲がいい訳じゃない。ミニゲームとかそれぞれのプレイを見るだけでその迫力に凄いなあとか、毎日遅くまで自主練する姿を見ると応援はしたくなって飲み物タオルの準備は欠かさないけど、ただそれだけだ。寧ろエネルギー補給のおにぎりの準備やボトル洗浄補充タオルの洗濯などしてると、どうしても活動範囲は体育館の外になる。相田監督が今までスカウティングした他校のデータをルールブックや専門書片手にまとめるのも部室か図書館、教室でする。朝練の前には体育館の鍵開けから掃除にボール出しにゴールの準備、自主練が終わる夜遅くには片付け含めモップがけに戸締まりや時間があるときボール磨きなんかもするけど、どの時間帯にも選手がいないことが多い。片付けのときに同じ一年生が申し出ることはあるけど切羽詰まってなければ選手たちの手を煩わせるつもりはないと断っている。一人で黙々と作業するのも案外楽しいもんだし。たまにストップウォッチ片手にメニューの時間測りながら練習を
見守ることもあれど、これじゃあマネージャーじゃなくてただの雑用じゃないか。そう思うこともあるけど、俺はそれでいいと思ってた。
大体マネージャーなんてその競技が好きな可愛らしい女の子がするのが一番いいに決まってる。俺の中身が元女だということは置いといて、それでも野郎からタオルやドリンク渡されて「お疲れ様」って言われて嬉しいか。いやそりゃ偏見かなり多いけどそれで喜ぶ男がいても複雑だ。なんだホモかと下賎な考えすらでてくるのはご愛敬。有り得ないこととはいえ対象が俺だと困るどころかドン引きレベルだけど。


なんだかんだいって、彼らキャラクターだし。


今までの教訓から、生きてる動いてる感情があるとわかっていても、深く関わったら後々後悔するレベルで面倒臭いということは理解している。そりゃ命の危機とか死体見るレベルの巻き込まれはないだろうさ。青春スポーツ漫画だし。屋上から叫ぶのとか青臭いの普通にやっちゃってるし。でもよくよく考えてみろ。彼ら、超キャラ濃いじゃん。テニヌとか超次元サッカーまではいかないけどそれに近いレベルじゃん。…無理じゃね?成人過ぎた私が、あんな日本一目指してキラキラした青春真っ盛り思春期真っ盛りのメンバーに混じると考えるじゃん。ね、これ無理じゃね?


今でさえ眩しいのに自分がそれに加わると考えると浄化されて滅殺されそうです。はい。
今日も俺は太陽みたいにギンギラギンに輝きながら汗を流す選手たちを遠く離れた場所で眺めながら、汚れたタオルとクリーム片手に古いボールを磨き続けるのだった。




(雑用さいこー)




何を書きたかったのか忘れた結果がこれだよ

『つづきをはじめますか?』

(黒バス/アンフェア♂)

・先輩ってなんだったっけ
・ノリと勢いでラリホー






以前よりスムーズに動く身体は女だったときより筋肉量が多いからか。ポカリか麦茶がパンパンに入れてあるボトル数十本キッチリ詰められたカゴは見るだけで重そうに見えるが、今ではそれを片手で運ぶことができる。道のりの途中で疲れた持ち手を返ることはあるものの、フラフラ危なっかしいことはない。それどころかもう片手に畳んだタオルを持つ余裕すらあった。

平均身長で、ムキムキな訳じゃないのに男ってすげー。
元女だった私にとって、今の状況は何の変哲もないことでも革命的出来事だった。



っていうか男になってたこと自体、革命的出来事なんだけど。



決して私――もとい今は俺――が女装男装趣味ということあらず。最近流行りのオネエでもおなべにもあらず。重ねていうが、ネパールにいったこともあらず。20数年女として生きてきた生々しい記憶が妄想だったとしたらいっそ死んでしまいたいくらいの大ダメージだが、幼稚園から小中高、大学から社会人までの緻密な記憶がそうじゃないと感じさせる。っていうか信じたい。あと胸の重みや月一の辛さは嘘じゃないと信じたい。信じないとやっていけない。
お分かり頂けただろうか。女だったはずの私は、男で高校生の俺に転生しちゃいました。どういうことなの。

とはいえ世間さまがまさかの性転換した人間がいる訳もなくいえる訳もなく、ネタぐらいに留めておけよなビックリ体験に愕然としつつ生活を放棄することはできやしない。胸部の寂しさと下半身のプラスαに悲しくなりつつも、なんでまた高校行かなきゃいけないんだろうと荒みつつも、周りに悟らせることなく当たり障りのない生活を送っている。僥倖だったのは、両親共音信不通の身寄りがないこと。親なしといってしまえば響きは悪いが、いきなり高校生になってハイ私たちが親ですって言われても実感はわかないし中身が違うし性別が変わったというハイリスクもある。施設暮らしでもなく、生活費は謎のアフターケアなんだろうが毎月未知の振込。書類上の保護者はいるが、向こうの家に迷惑をかけたくないという建前でこうやって一人暮らしできたからこそなんのストレスなく周囲に溶け込めることができたんだろうと思う。ご都合主義万歳。

ただしそんな上手くことが運ばないのが世の中の性というもの。




荷物をしこたま持って、キュッ、キュッ、と高いスキール音を響かせる目的地を眺める度に、こう胸に来るものがあって泣きたくなる。ただし感動とかそんな爽やかなものにあらず。なんで私…いや、俺、こんなことしてるんだろ…。現実逃避です。
ダムダム、ボールが床を跳ねる音はいつもは青春だなー眩しく感じるそれなのに更に切なさを掻き立ててくるが、体育館の入口に立っていた女生徒がこっちに気付いたのを見て、逃避する時間なんかないですよね、そうですよね、となんとか吐き出しそうになった溜息を堪える。


「広瀬くん!悪いんだけど、このプリント人数分コピーお願い!」
「はあ、わかりました。相田さん」


元気よく、または力強く新たな仕事をビシバシと指示してくる女生徒に、逆らう気力もなくボトルを体育館の入口において、ファイルに挟まっているプリントを受け取る。
顔を上げると、満足そうにしていた彼女は既に体育館の中へと向かっており、真剣な眼差しをコートの中で縦横無尽に走る選手たちに向けていた。数人しかいない、それでも勢いだけは他のどの学校にも負けないプレイをする選手たちを見て、呆ける暇もなくとりあえず補充してきたボトルと洗濯したばかりのタオルを誰にも気付かれないままベンチ付近に運んでおく。周囲にはアイシングをしたあとなのだろう氷を入れた袋が散乱していて、黙ってそれらをアイスボックスの中に直した。
数十分いないうちにまたバラバラと散らばるんだろうタオルのことを考えると悲しくもなるが、残念ながらそれがいまの俺の仕事だ。



「火神くん!」
「おうっ!」



コピー機のある用務室に向かおうと再び外に出ようとする途中、体育館にガコォッ鈍い音が響き渡る。今までのどんな音や声より、周囲から目を集めてしまうそんな音だ。思わず振り返り目をやってしまったそこに、まばゆい青空の色と燃えるような夕焼けの色の頭二つが並んでいた。


「相変わらずダンク馬鹿ですね」
「アリウープさせたのお前だろ!?」


相性がいいのか悪いのか。ぎゃいぎゃいわめき立てる二人に、既視感を覚えて――いや、知っていたそれに、先ほど堪えていた溜息が漏れだす。きっと今の自分は目が死んでいるのだろう。どうしてこうなった。ミニゲームを中断させられてご立腹な女帝とこめかみに谷をそびえ立たせた主将が原因二人のもとに拳を讃える姿を見て、周囲の人間が呆れてたり顔を引き攣らせていたりする姿を見て、改めて外履きの靴に履き変えた。
数秒後、背後からは怒声が響き渡りちょうど傍を通りかかった帰宅部の生徒がビクリと肩を揺らしている。あーめん。とばっちり受けないように家庭科室で炊いてたご飯でおにぎりつくって遅めに戻ろう。



運動なんて興味なかったのに、なんで男になってまでバスケ部のマネージャーしなきゃいけないんだろう。



今わかっていることは、私は既に巻き込まれてしまったということ。逃げられないということだけだった。



(よりによって黒バス…いや寧ろなんで黒バス…)
(コナンよりマシだけどさあ、男ってどういうことなの!)




アンフェア♂in黒バス

気持ち的にはコナン嬢→黒バス的なノリで書いてます。殺人あるよりマシだ。だけどなんで男。よりによって男!しかもマネージャーとかアホか!?なノリでお送りしております。別にコナン嬢なくてもいいこど。ただし元女。ホモォも好きな私に抜かりなんてなかった。目指せハーレム。夢も希望も楽しけりゃなんでもいいんだよ。
因みにアンフェア♂は運動まあまあ人並みにはあるんじゃねくらいなものでバスケは全くできません驚くほど素人。運動音痴ほどじゃないけど多分ミスディレなしの黒子っち以下か同じくらい。身長体重も黒子っち以下か同じくらい。びっくりするほど平々凡々です。中身成人医者(高校2周目)だから勉学凄いけどね。オール満点ってほどじゃないけどね。キセキ的勉学格差社会では赤司=♂>緑間だろうね。そりゃ2周もすりゃチートや。チーターや。
ツヅケバイイネ!
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