(TOS/ロイド)

・ロイド夢が読みたくて自給自足したブツ
・夢主はロイドより先にダイクさんに拾われたロイドと同い年の女の子で順番的に義姉(自称)
・実は現代トリップ&幼児化で現地に適応するため戦えるよう頑張ってるよという地味に長い設定があるけど今回は割愛
・ロイドくんの特別ってなんだろう、から発展した謎のDVがあるのでお察し下さい

・漫画版EXのショタロイドくんは世界遺産


色々堪えられるひと向け





「ひっ、うえっ、うええ、おとーさん、おかーさん…!ひとりはやだよぉ…!」
「大丈夫、ロイド。大丈夫だよ」
「う、うえっく、」
「私が、お姉ちゃんがずっと傍にいてあげるから。大丈夫、ひとりじゃないよ」
「おねえちゃ、」
「うん、大丈夫だよ」



――そう、遠き日のあの頃、甘えん坊で泣き虫で、抱きしめてポンポンと背中を撫でるまで泣き止まなかった我が愛しの弟。私の後にドワーフであるダイク父さんが連れ帰ってきた、小さかった弟。暫く「おねえちゃん、おねえちゃん」とヒヨコのように背後をついて回ってきた、可愛い可愛い弟。

ダイク父さんに負けないくらい愛情注いで説教もして大切に大切に育てたはずなのに。それが今では、どうしてこうなってしまったのだろう。


「あ、ロイド。今日も学校行くの?」
「行くの?ってナマエもだろ。早く準備しろよ、リフィル先生に怒られちまうじゃねーか」
「え、私今日イセリアには行かないよ。お父さんのお客さん迎えにトリエッタにったああ!?なんで!?なんで殴るの!?」
「親父ー、俺今からトリエッタ行ってくるわ」
「ええ!?私がいくからロイドはがっこうぎゃあ!?」
「しゃーねーな…二人で気をつけていけよ」
「お父さん!?」


あの頃の天使は果して何処に消えてしまったのかと本気で悩んでたまに眠れなくなるくらいここ最近の私は真剣に考える。真剣に、真剣に考えてそれでも帰ってこない天使に泣きたくなる。
殴る、蹴るは当たり前。理不尽だと訴えれども周りは何故か呆れるか微笑ましそうに見守るかで、当の本人からは追撃があるからたまったもんじゃない。戦闘だって補助ぐらいはできるのにいつもいつも邪魔者扱いで一人で家を出るのも許してくれない。そんな彼は、かつて天使だった私の弟。


――ああ、どうしてこうなっちゃったんだろう。


殴られた頭をさする間もなく腕を引きずられノイシュと共にトリエッタに向かいながら、いつものことだが泣きたくなる。
せめて、弟は私が守る。そう思いながらいつものように前に出ようとするが、次の瞬間飛んできたのは斬撃で、踏み出そうとした足の直前を通り過ぎていったそれに立ち止まると、弟はいつものごとく笑顔でいうのだった。


「悪い、手が滑った」



私の弟は天使でした。――今は悪魔です。




悲劇的ビフォーアフター





(ロ、ロ、ロロロロイドの馬鹿あああ!!もおおおなんで毎回毎回魔人剣私に向かって打つのよおおお!?)
(だから手が滑ったっていっただろ?最近ナマエ太ったからな、モンスターに見えてうっかり斬っちまいそうになるんだよ)
(ふとっ!?た、単にロイドが下手くそなだけじゃぎゃあっ!!?)
(ああ悪い、足元に虫型のモンスターがいたから、つい)
(つい、で虎牙破斬すんなああああ!!!)