けーたいのCM(どこも?)ってごっつ可愛いと最近気付きました。パロったらものごっつ楽しいと最近気付きました。
夢主は基本的に持ち主。携帯はキャラクター。そんなパロディです。当たり前だけど携帯×持ち主な感じでよろしく。
以下、世界主とミナト、ナルト、クシナ、ユーリ、フレンの五本立て。正直長さはまちまちだが長い。そして設定とか知らん。
世界主ではあとルルーシュとかピカブイとかも書きたいものだ。あ、嬢たちも勿論書きたい。
要とミナト
(オレは波風ミナトではありません。要の携帯です!)
外見は意外と好みで購入したこの携帯を要は基本最低限にしか使わない。
元々友人どころか知り合いの少ない要だからこそアドレスを教えた人間は極わずか。故にメールも電話も必要な時は極稀で、何か別の機能を使うことはほぼない。正直に言ってあってもなくても意味をなさないそれなのだが、しかしこの携帯は常に機嫌良く要にくっつき、そして訳もなく彼女を呼ぶのだ。
最初は耐えていた要だったが流石に毎日続くとなると話は別。最近はこの携帯のことが鬱陶しくなっていた。
「要ー」
「………何。メール?電話?」
「ん、何もないよ」
今15時だよって伝えただけ。
そうニコニコと笑って告げてくるミナトに苛っとし頬が引きつる。使わないし鬱陶しいだけならばいっそのこと解約してやろうかと要の頭の隅をよぎるが、眉を顰めて睨む自分に構わず笑顔で抱きついてくる姿は懐いているようにも見えなくもない。
「…アラーム設定はしてないつもりだけど」
「ん?そういえばそうだね。でもそろそろ買い物にいかなきゃ」
ね?って微笑むミナトに要は溜め息をつくしかない。持ち主の行動を把握して知らせてくれる携帯に、せめてもの抵抗として、抱きつくなと鳩尾に一発叩き込んだ。
(…もう少しだけ使ってやるか)
(恋人もだけど近しい人間がいなくて本当によかった!)
あまり使わないのに絆されつつある持ち主と持ち主が独占できて嬉しい携帯
要とナルト
(オレはうずまきナルトじゃありません!母ちゃんの携帯だってばよ!)
「母ちゃん母ちゃん、メールだってばよ!」
元気よく自分を呼ぶ携帯に微笑ましく思い、要はナルトに近付いてゆく。こちらに向かってくる要にパアッと顔を明るくしたナルトは持ち主の腕に抱きつき、その頭を撫でながら「で?」と問いかけた。
「誰から?」
「綱手のばーちゃん!」
「姉さんか…何だって?」
要の言葉に「んーと、」とナルトは少し首を傾げる。その姿に何故首を傾げるのかと要は思いながら口を出さずにいると、再び明るい顔をしたナルトはハキハキと口を開いた。
「うめあめのじきには戻るからしんたとかすめんを多めに用意しとけ、って書いてあるってばよ!」
「…………それ、梅雨(つゆ)の時期には戻るから、心太(ところてん)や素麺(そうめん)用意しとけってことよね」
「……うめあめって読むんじゃねーの?」
要は携帯に言語機能(変換機能)を叩き込もうと決意した。
(広辞苑とまでは言わないけど、まず小学生レベルには達しなさい!)
(勉強するのヤだってばよー!!)
バカな子アホの子機能が少ない携帯と携帯に指導するという名のダウンロード持ち主
要とクシナ
(私はうずまきクシナじゃありません!要の携帯だってばね!)
真っ赤な色をしたこの携帯を周りに見せると驚かれることが多い。
曰わく、派手な色だとか。曰わく、やけに色だけ目立つとか。曰わく、トマトみたいだとか。曰わく、大人びた要のイメージじゃないとか、要には似合わないとか。
前者ならまだしも、後者の2つを聞く度に携帯は暴れ出し言ったものに制裁を与えてゆく。今日もまた元気にやってのけたクシナは、珍しく部屋に帰ると布団に籠もり1人スンスンと泣いていた。
「ひっく、ひっく」
「―――クシナ、みーつけた」
1人隠れていた筈なのに聞こえてきた要の声にビクリと反応する。布団は被さったままだが、布越しに隣に持ち主がいる気配に、クシナは漏れそうな嗚咽を鳴らさぬよう口元を押さえた。要の前で泣いたことなどなかったのだ。
「また誰かに何か言われたの?例えば派手だとかトマトだとか…私に似合わないとか」
「……」
全部だ。とはいえそんなこと言える筈もなく、言ったら認めてしまう気がして何も返さない。なんで自分はこんなに赤い色してるんだろう。なんで要は私を選んだんだろう。考えただけで涙がにじみ出てくる。クシナは顔を布団に押し付けた。
と、外側からみて更に丸まったそれに、要は溜め息する。それは面倒だとか呆れなんかではなく仕方ないと慈愛の込められたもので、クシナはそれに気付かなかったが布団越しに頭を撫でられる感覚に眼を開いた。
「あのね、周りの意見なんてどうでもいいのよ」
「だ、だって、みんな要にはもっと大人しいシックなものが似合うって、私は似合わないっていうんだってばね!」
今までずっと、彼女に買われたときからずっと言われ続けた言葉を、納得してしまったこともあるそれを言いながら零れそうな嗚咽を我慢する。だが優しく撫でる手は止まず、次いで要は「バカ」と呆れたように告げた。
「似合う似合わないとかどうでもいいのよ。私はクシナのその色が綺麗だと思ってあなたを選んだんだから」
ちゃんと好きだよ、クシナの明るい赤色。
ポンポンと軽く叩きながら告げられた言葉に目を見開くがそこからは今まで耐えてきた大粒の涙が零れてくる。勢いよく布団を弾き自分に抱きついてくる携帯に、持ち主は笑って応えた。
(あ、勿論元気な性格も好きだけど)
(私も要のこと、大好きだってばね!!)
真っ赤な外見を気にしていた携帯とそんな携帯を選んだ持ち主
要とユーリ
(俺はユーリ・ローウェルじゃありません。こいつの携帯みたいです)
運悪く雨に降られて全身塗れネズミになった要とユーリ。家に帰りつき玄関先でびしょびしょのまま一息ついた要は同じくびしょびしょになり髪の毛の水を鬱陶しげに絞っているユーリを見た。
自分は後で風呂に入ればいいとして、精密機器であるこの携帯を水浸しにしておくのは怖い。壊れられると困るからと、げた箱の上にあった新品のタオルに手を伸ばし携帯の頭に被せる。そんな持ち主の行為に目を張ったユーリだが、要は構わずゴシゴシとタオルで拭き始めた。
「おい、俺のことより自分のこと気にしろよ」
「ユーリに壊れられると困るんでね」
「俺ってば愛されてんなー」
「そうそう、お兄さんの中にあるデータを愛しちゃってるのよねー私」
飄々と言う要に「可愛くねえ…」と呟くが、彼女は構わずユーリを拭き続ける。が、やはり濡れたため冷えているのだろう。ときせつ掠める持ち主の指が冷たいことに、ユーリは眉を顰めた。
「俺は防水だからこんなんじゃ壊れねーよ。寧ろお前が風邪引くだろ。早く入れって」
「防水つったってここまで濡れたらわからないでしょ」
「風呂に入っても大丈夫なのにこの程度問題ないっつってんだろ!」
「んなもんわかんないでしょ!?大体あんなCM見ても信じられないっつーの!!」
「……ほーう、ああそうですか。じゃあ証明してやるよ」
「は?何いっ、て!?」
急に自分を抱えあげたユーリに要は驚愕し思わずタオルを床に落としてしまう。何やってんの!?との叫び声に、ユーリはニヤリと笑った。
「一緒に入って壊れなかったら問題ないよな」
「どこに!?」
「風呂に」
「は!?」
だって証明してやらねーと、と告げる良い笑顔に要はピシリと固まるが我に返り拳を握る。繰り出された拳は見事飄々と笑っていたその顔に直撃した。
(痛ってえええ!?ば、水で壊れる前に衝撃で壊れるわ!!)
(いっそのこと初期化されてしまえ)
耐水耐衝撃性な携帯と余計な機能ごと初期化してしまいたい持ち主
要とフレン
(僕はフレン・シーフォではありません。要の携帯電話です)
「要、もう朝だよ」
「………」
バサリと自分にかけられた布団を避けながら溜め息をつくフレン。低血圧な持ち主は掛け布団がなくとも起きる気配がなく、これじゃあ目覚ましの意味はないじゃないかといつものことながら嘆くしかなかった。
「こら、今日は大事な用事だろ?早く起きて洗面台行って目覚まさなきゃ」
「……るさい」
近付いて頬を伸ばすがその手をバシリと叩かれる。意外と痛かった。ヒリヒリした手のひらを撫でながら、再度フレンは溜め息をつく。
「全く…仕方ない主人だね」
とか良いながらその顔は笑顔だ。フレンは床に落ちた布団を拾い上げベッドに寝転がり枕を抱き枕代わりにする要の上に被せる。ついでと言わんばかりに自分も彼女の隣に潜り込み、「うう…」と唸る要の頭を撫でて彼女の顔を眺めながら横になった。
「ま、いいか」
大体今日の予定は言うなれば持ち主が男友達と遊びにいくというもの。一歩間違えればデートというやつだ。それを聞いたときフレンは思った。ふざけるなと。
「…おやすみ」
出来れば夜まで寝て約束に慌てるか忘れるかしてしまえばいい。そんなことを考えながらフレンは彼女の隣で目を閉じた。
(……もう13時!?ちょ、フレン、あんた何で寝て、いや隣で寝てんの!?電話して電話!!)
(あ、もう起きたんだ……ちっ)
低血圧で目覚まし必須な持ち主と目覚ましの機能の意味がない携帯
ミナトは使用頻度低・お知らせアラーム。ナルトはメール・変換機能追加。クシナはデザイン。ユーリは防水耐衝撃性。フレンは目覚ましアラーム。
それぞれ携帯の機能で書いてみたけど楽しかったのはクシナです。相変わらずな百合百合です。どうやら私はクシナを泣かせるのが好きなようだ← あとナルトはデフォルトアホの子可愛い子。母ちゃん呼びは夢設定ということでひとつよろしく。
ちょっとどころか大分楽しいぞこのパロディ!