(BASARA)嬢
異世界へ行くとしたら何処へ行きたいですか?
そう訪ねられたら私は、口を挟まれる間もなく
「平和な日本のままでお願いします」
と、即答できる。平和万歳。
如何に漫画なゲームの世界にのめり込もうが、それは世界が違うから楽しめるのであって、命あってこそ。体力も精神力も消費が高い場面なんて実際に遭遇したら死ねる確率が上がるだろう。そんなデンジャラスな体験は願い下げだ。
まあその他諸々理由は上がるけど、特に日本は最高だと思う。命の危機に晒されることは極稀だし、地方によって違えども気候も安定。食に困ることも切羽詰まるほどではない。人と人の間はパーソナルスペースを保つから多少冷たいイメージでもあるが、ズカズカ入られるよりもマシ。
総合すると、今の生活万歳!という訳だ。
そりゃあ多少不満はあるけど、別に高望みしなくたって充分に生きていける環境で良いじゃないか。
――――というつもりで答えたつもりなのに何が因果してこうなったのでしょうか
「壱ねーちゃーん!ねーちゃんの言った方法で畑にこの薬草の汁蒔いたら、虫食いがなくなっただよ!これ、お礼にうちで取れた野菜だ。少ないけど食べてけろ!」
「壱先生が手当てしてくだすった怪我、1日で痛みが分からないくらいだぁ。お陰で沢山獲物が穫れたんで受け取ってくだせえ」
「あら壱先生、買い物け?ならこの着物はどうかね、色も鮮やかだし生地がしっかりしてるから風も通さないこれからの冬に最適だよ。先生にだったら安くしとくよ!」
「あ、はは…ありがとう、ございます」
少し肌寒い、だが活気のある農村を歩けば至る所から声をかけられ、お礼を告げられ野菜に野鳥、さらには服までと、至れり尽くせりな対応をうける。
へらっと苦笑をしてお礼を言えば、満面の笑みで「また、よろしくなー!」と手を振られた。
なんだ、この状況は。
なんてつっこめないほど、私は疲弊していた。体が、じゃなくて、精神的に。
最近はこんなことばかりだ。
専門外な畑に向かい、持てる限りの知識を絞りだして害虫対策や良い土の作り方を教えたり、(プロには叶わないが、効率のいい方法だけは知っているつもりだ。現代人のジャンルの広さって凄い)
風邪から大きな怪我まで出来る限りの治療を行い特に薬には四苦八苦しながらも医者として働いたり、(見慣れない薬草の種類には戸惑った。漢方の勉強をしといて良かったと本気で思ったものだ)
報酬はとらない。この時代の貧困さを理解しているから。
それでも何とかやりくりして無事に生きていられるのはこうやってお礼として物品を頂けるからであって…、
この現状を理解頂けたであろうか。
ここは日本。それは私が望んだ通りの世界。
だけど、時代は全く違っていた。
私が望んでいたのは平和な日本。とどのつまりは平成である現代。
例え今この場が平和だろうが、決定的に違うのは、時代だ。
「……戦国時代…、!」
しかもただの戦国時代ではないのは言うまでもなく。
「あ、壱ねーちゃん。オラこれ渡すの忘れてただ。お侍さまから要請あっただよ、ねーちゃんの薬が必要らしいだ」
「あ、ははー、…ありがとうねいつきちゃん」
「んだ!」
要請、という言葉と共に水色の髪を三つ編みにしている少女から貰った手紙を開く。そこにはお得意様とも言える、この国の領主様の名前がかかれてあった。
『伊達政宗』と。
ただし、残念ながらそれだけではなく、文章の所々にはこの時代には見る機会が皆無に等しい英語があって…。
「……『kitty』とかサブすぎる」
文章の内容を理解し、準備が必要だと早々に山の奥にある家へと向かった。
早く城に向かわないとあの6本の刀で脅される。
今の私の周りは平和そのもの。だけど一回ひっくり返せば忽ち命の危機。
しかも、それぞれの武将が天下統一を目指す中、歴史と食い違うこの世界でやるべきことは、必死に危機を回避することこの上なかった。
っていうか、人外そのものの技を使っちゃう武将がいる世界で無事に生きていられるのか私!!!
ただのネタなBASARAin嬢。ネタです(二度言う)なまりわかんねがった(うわぁ)
確実に嬢がinしたら死ぬだろうなと思う世界ですが愛故に(…)。パーリーな土地ですがお館さまでも良かったです。というか寧ろいつきちゃんと関わってれば私は満足←
生きる為に医者をやってますが、ここにきてリアルサバイバルを味わってればいいよ。薬も作ってればいいです。ほら、あれ、あの時を越える医者ドラマみたいな!それ故に忍さん方の仲良くしてればいいなぁなんて妄想が広がります。あ、わかっちゃいますか。オカンとかすがちゃんですね!
とりあえずネタだから書く気はないよ。寧ろ私真面目にバサラったこと無いんだ実はと暴露しとく←←