下手な人ほど相手のことだけを考えて自分という存在をすべてそこにかかわらせるのを忘れている。
「あなた、こうしたらいいじゃないか。ああしたらいいじゃないか」
と言う人は自分を入れていない人です。自分を入れると、そんな簡単に言えないでしょう。そう思いませんか
この問いを聴いたときに、強かった風が止んだ気がした。
自分が呼吸をしている存在だということを忘れたかのように、時間が過ぎた。
いつか終わるけれど、淡い光をみたんですと言ったのは隣にいたテトラだった
あの人の瞳は何処か遠くを見ているようだった。無音でもその場の空気を一瞬にして変えることができる人だった。
全てを見透かしているような微笑みをする、あのひと
笑ったんだ、泣きそうに。
嬉しくもないのに笑ったって周りが哀しくなるだけじゃないか。
無理に笑ったって自分が虚しくなるだけじゃないか。
でもこの人は笑う。
感情の見えない顔で笑って私たちに哀しみを落としていく