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人間の想像力と創造力

最近話題のアニメに「暗殺教室」というのがあります。
週刊少年ジャンプで掲載されている大人気漫画のアニメ化で、今度実写化もされるのだそうです。

私も大好きな作品ですが、これはタイトルが過激ですが内容もかなり過激。
落ちこぼれが集まる椚ケ丘中学3年E組の少年少女が、月をほぼ蒸発させるほどの力を持ち地球を破壊しようとたくらむ不思議生物殺せんせーの暗殺に挑む……という話で、ストーリー第一話から銃撃のシーンが出てきて、殺し屋がたくさん出現。
そもそもストーリー内に「殺す」「暗殺」の言葉が出てこない回は多分ないんじゃないかってくらいです。
頭の固い人達にはきっと嫌われて、アニメにはならないだろうと長く言われていたこの作品が、深夜枠とはいえアニメや実写映画化にまでなったのは、この作品が本当は愛に溢れているからです。
「殺せんせー」は金八先生顔負けの本当に「いい先生」で落ちこぼれだった生徒たちはその先生と「殺す」というこれ以上ない真剣勝負の中で向き合うことで勉強と、それよりももっと大切なことを学んでいきます。過激な表現の中に、本当の愛と優しさに溢れた間違いのない名作なのですが、そのアニメの第3話が放送中止になったのだそうです。
 ナイフを振り回す内容がある話で「情勢に配慮し放送を見送らせていただくことになりました」とのこと。人質事件に配慮してのことではないかとネットニュースで見ました。
 別に放送を楽しみにしていたわけではないのですが(そもそも見れないですし)なんだかこれを見て震災直後の事を思い出してしまいました。

 震災後、1週間くらいの間はテレビは震災特番ばかり。
 CMもACばかりでぽぽぽぽーん恐怖症になりそうでした。
 大被害の最中でそれこそ「情勢に配慮した」のでしょうけれど、どこを見ても暗いニュースばかりの1週間は本当に滅入るものでした。
 1週間ぶりのドラえもんに子供達がどれほど喜んだかは言うまでもないくらいです。
 お花見の自粛、というのもありましたしその後、ある漫画家さんとお会いすることができたとき「出版社が被災地に漫画を送ろうという話があったんだけど、僕の作品内で津波の表現があったからダメだったんだ」というお話をお聞ききしたこともありました。
 日本人は特に、何か事件があるとそれに少しでも関係したり類似するような作品を自粛したりする傾向があります。
 でも、それってなんだか違うんじゃないかなと時々思います。
 それは犠牲者や被害者、被災者の気持ちに配慮するという点において間違っている、とは言いません。
 私は直接家族を亡くすとか、家を失うとかにあっていないから言える事かもしれません。
 でも、人間には想像力があって考える力がある。
 それが相手を傷つける意図があって発せられたものかどうかは考えれば解ると思うのです。
 厳しい、辛いことを乗り越えて辿り着く未来をちゃんと描いていればそれは一概に人を傷つけるものにはならないんじゃないかなと思います。
 むしろ私は、震災後阪神淡路大震災や、地震、津波をモチーフにした作品をたくさん読みました。
 読みたくなりました。
 そこから学べることがいろいろある気がしました。
 ちゃんとした想像力があれば、そこから傷つくだけではない何かを作り出せるように思うのですが…。

 もっとも私も、人の事を偉そうに言える立場ではないです。
 人質になった方やその家族の事を考えれば、配慮は必要なことなのかもしれないと思います。
 人質になった方々が無事救出されることを心から願い、祈っています。
 アニメや漫画を楽しいと思える環境というのは、本当に幸せなのですね。

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