美しい物や風景を見たときに、写真を撮ることに頼ってしまう
データをパソコンなどでいつでも見られる
それは素晴らしい事だと思う

けれど
思い出したい景色がある
私がパソコンもケータイも、デジタルカメラも持っていなかった時
純粋に晴れの日を喜んでいた時
おばあちゃんが生きていた時


今は建物がたくさん建っているけれど、その時は何の舗装もない土だった
そこで、笑い声がするのだけれど何が楽しかったのか、何をしていたのか、全く思い出せなくて

木も畑も広くあったのが跡形もなくて、沢山生えていたのは何の木だったのか、あの食べられる実はなんだったのか
何も思い出せなくて
あの低い目線で、何を見ていたんだろう


どうってことなかったのだろうけど、幼い頃の日は美しく見える




16歳の私を支えていたのは、お金でも学歴でもなくて、愛された記憶だったから
(それがあるから罪悪感も悲しみもあるのだけれど)


甘美な思い出にひたりたくなってしまう時があるな、と思ったのです




忘れたくないと思ったものを、脳に刻みつけておくということ
失いたくない。