公式学年+2年
++++
「うわっ、何だあれわかりやすっ」
「ラブラブだねー」
「めでたしめでたしっすし、一周回って元に戻った感も強いじゃん?」
「あっ、それや。康平、それだで。元に戻った」
とうとうゼミ合宿最終日。全ての行程を終えたゼミ生たちは、雪山の洋館とかいう大学の施設を後にして現在は高速道路の上にいた。途中、マイクロバスから大型の観光バスに乗り換え、そこからしばし行ったところにあるサービスエリアで休憩や買い物をするのだ。
俺にとっては卒論発表合宿と言うよりは高木のお守りばっかりの2泊3日だった。ヒゲさんの講釈の最中に寝てる高木を起こしたり、晩飯の時にアイツの食えないモンをもらって食ったり。そんなことよりも大変だったのは、千葉ちゃんとのあれこれで。