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【SSS】思い出したらすぐ行動

 いつもは授業や各種説明会などで来ている4号館が、今日は何だかお祭りのような雰囲気です。文化会発表会という行事がこの連休に開かれていて、入学した時の勧誘ラッシュで冊子をもらっていた僕は、美術部の活動が気になっていたので来てみました。
 土曜日から月曜日にかけて行われていた発表会も最終日。それまでにはいろんな部活が様々な形式でその活動を発表していたようです。緑ヶ丘大学には星の数ほど部活やサークルがあって、文化系の部活だけでも発表には3日かかるなんて、やはり規模が違いますね。
 僕が目当てにしていた美術部は、ステージではなく作品を展示するという形式での発表だったので、別にいつ来ても良かったんですね。ですが、土日は自分の制作に没頭してしまっていて、気付いたら最終日だったので慌てて家から出てきました。


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【SSS】海沿いの洋食屋さん

「ここだ。バレーナ・ビアンカ(balena bianca)」
「ひゃーっ、すごい建物ですよ! えっと、もう少し眺めることって」
「そういうのは個人的に来てやってくれ。入るぞ」
「あっ、待ってくださーい!」

 今日は林原さんと一緒に出掛けている。世間ではゴールデンウィークに入ったけど俺は向島に出てきたばかりだから帰省をする予定はない。こっちにはどういう場所があるんだろうっていう探索もまだ出来ていなかったから、林原さんにいろいろ教えてもらうことになった。
 星港市の町なかを抜けて、海沿いの一本道を通ってやってきたのがここ、西海市にあるバレーナ・ビアンカという洋食屋さん。林原さんが情報センターとは別にアルバイトをしているという店で、お茶でもしようと連れて来てもらった。


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【SSS】遅れた体でのブッキング

「どうぞ、汚いところですが」
「うわ〜、他所の大学さんの部屋に入るなんて緊張するでしょでしょ〜」

 今日はファンフェスの練習で向島さんにやってきた。ピントークで俺と組むミキサーの野坂クンに部屋を開けてもらって、初めて踏み入る部屋の広さと言ったら。朝霞班のブース何個分だろう。でも、朝霞クンには広すぎて落ち着かないかも。
 適当な席を借りて、野坂クンが機材を立ち上げていくのを見つつ周りをぐるり。星ヶ丘大学は街の中にあるけど、向島さんは山の中。環境音と言うか、周りの音の質が全然違う。時間は午後1時半。夕方までは余裕で練習出来るよね、と。
 そもそも、ラジオの練習をするなんて去年の夏合宿以来になるんじゃないかな。ステージだったら何とでもなるんだけど、ラジオは不慣れだからちゃんと練習をしておきたい。ファンフェスが生放送なのが救いかな。生、ライブだったらある程度の場数はあるから。


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【SSS】美味しい恵みが押し寄せる

「うーい、リンー」
「何ですか」
「1、2高飛びすっからあとよろしく」
「わかりました。報酬は弾んでくださいね」

 ゴールデンウィークを抜ければセンターの忙しさも一段落するとかで、ここが踏ん張り時。センターで繰り広げられる謎のやりとり。春山さんと林原さんだというのが怖さを増幅させるけど、言ってることは何てこたないと信じていたい年頃。


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【SSS】散る星の残像

「朝霞、来たぞ」
「どうぞ。片付いてませんけど」
「いや、たまには外で飲むか? なあ」

 部屋にやってきた先輩を迎え入れようとすると、逆に外に出ないかと誘われる。たまには飯でもという連絡が来たのは今朝のことだ。今日はバイトも入れてなかったし、部活は……まあ、謹慎中だし。ファンフェスの打ち合わせも、定例会もない。
 羽織りの下はタンクトップ。厚い胸板に、太い腕。筋骨隆々と言うのが正しいだろうか。背は俺とそう変わらないのに、体の質が全然違うと言うか。このいかにもな体育会系風の人が、越谷雄平さん。俺の前に流刑地と呼ばれる場所の班長だった人だ。
 越谷さんの提案で、今日はいつもとは違う店へと行くことにした。いつもは山口がバイトをしている“玄”という店で、顔パスじゃないけど、山口割みたいな物を利かせてもらっている。ただ、越谷さんの昨日の夕飯が玄だったらしい。飲まずに飯だけとかも全然アリな店だ。


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