「うー、さむっ」
「ああ、いたいた。ノサカ待ったか」
「いえ。と言うか、教室を出たのはほぼ同時だったではありませんか」
「いや、何か飲みたいなーと思って買いに出てたから」
金曜日は俺の中で土曜日、火曜日に次いで好きな曜日だったかもしれない。なんと、菜月先輩と履修科目がダブるという奇跡が起こっていたのだ。社会学部と情報科学部でそんなことが起こる確率は非常に低い。一般教養バンザイ。
一般教養・化学Bのテストを開始30分で終わらせ、教室を出る。この化学のテストは持ち込み可な上に問題は一度やっている小テストと全く同じ問題。確認すればするほど完璧からは程遠くなりそうな恐怖があった。ちなみに、基本俺は粘る派だ。