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除染と帰還と作業員

少し前に書いた福島民友の新年特集記事【復興の道標・作業員】が昨日で終わりました。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160113-041814.php

結論が簡単に出せるような問題ではないのでやっぱり、当たり障りのない感じで終わっていますが一番大事な事が流されたような気がします。
それは「除染」という作業が何のために行われるか、それが忘れられているからじゃないかな、と思うのです。

「除染」
それは原発事故で福島県内にまき散らされた放射性物質を除去する事です。
誰の為にするか。
勿論福島をはじめとするほうしゃのうの被害を受けた人の為。
なんの為にするか。
放射性物質による健康被害を防ぐ為、というのは勿論ですが私はそれ以上に除染、というのは心の為にする作業だと思っています。

私の職業柄のたとえ&あまり綺麗でない話で申し訳ないのですが、誰かがおもらしをしたと思って下さい。
おしっこが零れた所を、私達は雑巾などで丁寧に拭きとり、水拭きをし、消毒もします。
場合によっては換気とかもします。
そうした処置が終わればその部屋でまた生活をします。
でも、人によってはおもらしされた部屋、ということで嫌な気分になってそこで生活をするのが嫌になったりするかもしれません。
その部屋を使わずに過ごす事が出来ればもちろんそれに越したことはないのでしょうが、例えば数部屋しかないような家で、おもらしされた部屋を使わずに過ごすことは不可能。
だから、掃除を欠かさない事で、少しでも清潔にし安心して過ごせるように心を配るわけです。
除染っていうのはそういう作業じゃないでしょうか?
だから本来はまず、除染を受ける側との信頼関係を築いてどんな作業をするか「この人が綺麗にしてくれたのなら大丈夫」と思ってもらえるようにするのが先だったんじゃないかなあ?
と。
それなのに、納期とか目標に追い立てられて失礼とは思いますが、どこから来たのか解らない日雇い労働者とかを集めたりするから、色々な問題が発生するんじゃないかと思うのです。
除染を本当にビジネスと思って、やればいいみたいに考えている業者とか行政の対応も勿論問題ですが。
ハッキリ言ってしまえば、これから除染をして線量が下がるのは(森林除染とか帰還困難区域はまた別の話で)ある程度の高線量の地域くらいでしょう。
現在0.23μ/h以下の所はこれ以上やっても明確には下がらないと思います。
一度まき散らされた放射性物質の完全な除去は不可能で、私達はその中で生きていく。
だからこそ、除染、原発廃炉を含む作業員の方達と、理解し合う努力こそが、自分達の為にもそして、作業員の方の為にも必要なんじゃないかな?
と思うのです。

とりあえず、後でもう一回、後日談のようなものがあるらしいので、残りはまたそれを見てから。
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