「ねえ高崎クン、今日カズがそうめん茹でてくれるんだけど高崎クンも来る?」
「それはいいんだけど、そんなにたくさん茹でるのか?」
「中途半端に残してもね。そうだ、泊まって大丈夫ならビール持ってくるといいよ」
最近は暑いし飯を準備するのもめんどくせえ。かと言って食わないと生きてはいけないから食わせてもらえるならありがたくという感じで。そうめんなんかあんまり食った気にならないけど、食わないよりはいいだろう。そう思っていた。
それがどうだ。伊東の部屋に行ってみると、俺が想像していた食卓とは明らかに様子が違っていた。台所では油がパチパチと跳ねる音。このクソ暑いのに伊東は揚げ物をしていて、宮ちゃんは部屋の方で食卓をセッティングしているのだ。