再び残暑が戻ってきたようだ。空にはこんな入道雲が。もうしばらくは暑いみたいなので、ちょっと怖い話でもしよう。前に書いた話だったら、初めて聞いたと思い込んでください(笑)
あれは今から15年前の夏だった。仙台の予備校に行っている友達を訪ねがてら、『愛は勝つ』のKANのコンサートに行った時のことである。その頃の私は、まだ駅の切符を自分で買ったことがあまりなく切符の販売機で、もたもたしていた。早くしないと新幹線に遅れてしまう!と焦りながらも、何とか片道の切符を買うことが出来た。お釣りを財布に入れることに夢中になっていたせいか、切符のことなんて考えていなかった。
さあ、改札へ行かなくちゃ。あれ?切符どこだっけ?機械から取り出したかどうかもわからなかった。すると横に見知らぬオバサンが立っており、「はい、切符はここよ!」と私に差し出した。自分の切符かどうか確かめるためにもう一度確認し、確かに自分の切符だったので「ご親切にありがとうございます!」とお礼を言おうとしたのだが、そのオバサンはどこにもいなかった。驚いたことに、その周りには誰もいなかったのである。改札口で駅員さんに、オバサンを見掛けなかったか尋ねてみたが、そんなオバサンなんて見ていないというのだ。じゃ、さっきのオバサンは誰?神様だったのだろうか?
とにかく新幹線に乗らなくちゃならないという思いが強く、そんな事を考えたのは友達に会ってからだったし、急に寒気がして怖くなって震えた。
三年前の春だっただろうか。私は父と、父の友人のお宅へ用事があって出掛けていた。夕方、日が傾き出したころ、帰ろうというときの話である。
父の友人で議員をしているお宅は古い日本家屋が立ち並ぶような、住民はお年寄りが多いような集落だった。お庭からバックで細い路地に出ると、夕日は沈みかけていたが、ヘッドライトを点けないまま走り出した。そのうちに家の灯りや街灯もなく真っ暗になりかけていたが、私は父との話に夢中で点灯するのも忘れていた。
するとアスファルトの道はずなのに何故だかふわふわする感じになり、車を停めてライトを点けてみたのだ。すると何だか景色が変なのである。私は運転席のドアを開けてビックリ!何と目の前は崖だったのだ。あと数十センチ進んでいたら私の車は落ちていたはず。助手席の父は「どうした?」と尋ねたが、私は何でもないよ、道を間違えたみたいですと嘘をついて誤魔化したのであった(苦笑)
あの時、ふわふわしていたのは草だった。その草に気付かなかったら今頃…思い出しただけでもゾクゾクしてしまう。
どうだった?涼しくなった?(笑)この二つは実話である。私は何かに夢中になっていると、その事しか考えられないらしい
(苦笑)以後、気をつけたい。
昨夜観た作品は『初恋』
16歳になりたてのみすず(宮崎あおい)は、幼い頃に母親が兄を連れて家を出た時から一人ぼっちだった。親戚の家でも居心地は悪い。ある放課後、気がついたら新宿二丁目を歩いていた。目の前に“B”という看板。数日前に突然現れた兄が手渡したマッチのジャズ喫茶だったことに気づく。その店で個性的な仲間たちに出会い、その中の東大生・岸(小出恵介)に恋するみすず。彼に、あることを誘われるのだが…。
60年安保闘争の頃に起きた“府中三億円強奪事件”を基にした同名小説を映画化したものです。あのキツメ目の警官は実は○だったというお話。アングラなジャズ喫茶や学生運動など、美術も演出もこだわりを感じました。切ない結末に胸が熱くなりましたね。こういう昭和を感じる映画、大好きです!宮崎あおいの演技の上手さは最近の女優さんにはお目にかかれないほど素晴らしいですよね。『純情きらり』もしかり。将来が楽しみです。
最近のコメント