今日、偶然本屋で面白い本を見つけました。

正確に言うなら面白い、というのとは語弊があるのですが。
福島民報新聞の東日本大震災縮小版。
つまり福島地方新聞です。

私達は震災直後からずっと災害対策本部に詰めていました。
新聞は避難所には届けられていましたが自宅には届きませんでしたし、忙しくて読んでいる暇がなかったし避難所の物は避難している方の物と言う考えから勝手に持っていくこともできなかったので、あの当時、どんな風に大震災が報じられていたのか。

興味深くてつい買ってしまいました。

震災翌日12日の見出しは
「巨大地震 県内45人死亡370人死亡」
「無残、悪夢、自然の猛威」

ところが翌日には
「福島第一原発で爆発 放射性物質拡散化か? 燃料一部溶解か」
「続く余震。進まぬ救助」

さらに翌日には
「県民12万人避難 第一原発三号機も炉心融解」

「水素発生 爆発の恐れ」
「醒めぬ悪夢」
「国内最悪の原発事故」
となっていきました。
このころから
「負けないで」
と避難所の人達の様子を写す記事も出始めたのですが翌日15日には
「原発3号機も爆発」
「メルトダウンの恐れ?」
と何一つ希望の無い状況が報じられ続けたのです。

16日は
「高濃度放射能漏れ 屋内退避30kmに拡大 県内死者500人を超す」

17日には
「原発危機依然続く」
「生活物資ピンチ ガソリン、灯油どこ?」
と続いて行きます。記事の写真も福島、郡山が中心で田村市にはほとんど取材も来なかったのですがそんな中、私達の心を支えた言葉がありました。

「福島は負けない」
避難所の様子を写した記事に添えられた言葉は、地獄のような毎日の中で小さな光となったのです。

思わず読みふける事数時間。

気が付いたらもうこんな時間になっていました。
福島の新聞が当時どんなことを報じていたか。

これから時間があったらまた書いてみたいと思います。