「――っていうわけなんだけど」
「そうか、それは大変だったな」
「話の腰を折るようで悪いんだけど、本当にクラムチャウダーはよかったの? あれだけ悩んでたのに」
「いや、いいんだ。ドーナツだけでも十分うまーだから。それに、三井以外の人間を財布にするなと圭斗からこっぴどく説教をされてしまったんだ、してないのに」
大石から連絡があった。ファンフェス以来だなあと思いつつ話を聞いていくと、三井が惚れているあずさちゃんのことについてだという。ファンフェスの打ち合わせで使っていたドーナツ店で落ち合い、現在に至る。
「対策委員です」
夏合宿が終わってその活動も一区切りした対策委員は、みんなで集まる頻度もそれまでと比べると格段に落ちていた。まあ、それはみんなそれぞれ大学祭の準備とかで忙しいっていうのもあるんだけど。
それはそうとして、今回の対策委員の議題だ。過去の議事録によれば、夏合宿が終わった後には打ち上げが行われていたそうだ。合宿参加者を対象にした飲み会というヤツが。じゃあ、今年もやりますか。今日はそんな会議だ。