「それじゃあタカシ、いくよ」
「はい」
「左からミキサーCD2CD1MD2MD1、ラックに飛んでコンプレッサーアンプ、からのスピーカー」
「目が回りました」
「ゆっくりで大丈夫だよ」
放送サークルMBCCに入って2週間と少しが経った。俺のパートはミキサーということで、機材部長の伊東先輩から手取り足取り初歩の初歩から基礎を教えてもらっている。
伊東先輩はコミュニケーション能力が高い人なのか、気付けば俺は下の名前で呼ばれていた。話しかけるよりも先に話を振ってくれて、俺が打ち解けやすいようにしてくれているのかなあ。