「いよーうクソガキー! 来やがったかー!」
「うるせえクソが。誰も好き好んでは来てねえ」

 路地裏のライブハウス、そこに立ち入るなり俺に絡んで来やがったのはバイト先の同僚、長谷川正道。コイツの本業(?)は一応音楽で、スラップソウルというバンドのギタリストだ。一応メジャーを目指しているらしい。
 ただ、なかなか知名度やら集客率が上がらないのか、はたまた長谷川の分のノルマが捌けないのかライブのチケットを買えと俺を脅して来やがるのだ。そんな事情で買わされたチケットを握り、至る今。