震える。また震えてる。かれこれ何回目かはわからないし、その原因もわかりきっているから今更反応することはしない。ポケットから取り出したスマートフォンを蛍光イエローのジャケットで包み、休憩のポーズを。

「川北、電話はいいのか。さっきからずっと鳴っとるだろう」
「大丈夫です。林原さん、お茶飲みます? お湯沸かしますけど」
「ああ、頼む」