今NHKで『浪江町警戒区域』というドキュメンタリーをやっていたのだが、震災のドキュメンタリーではいちばん生々しく恐ろしい映像だった。ナレーションや音楽が一切流れず、ディレクターがカメラを持って浪江町職員と六時間半、町の様子を防護服を着ながら歩いて廻るのだ。原発から僅か五キロの地点を。
チャンと電話しながら観ていたのだが、ふたりして「ブファ(ToT)」と涙声になり、何ともやるせない一時間だった。楽しい電話になるはずだったのに…。
遺体がある場所には赤い印がついている。それがどれも手つかずのままで、収容しても腐敗が激しく今となっては誰だか判別できないだろうという。浪江町職員の男性は事細かに、在りし日の町の検証をし、ここには誰々の家があった場所、ここは集会所だった場所と説明するも、すべてが瓦礫と化していた。聞こえるのは海猫の鳴き声だけ。
私も何度か浪江町に行っているけれど、もはやこれがどこなのかわからなくなっていて恐ろしく廃墟でショック。チャンも友達の家があったはずだと言うが、どうやらそれも流されちゃったようだ。
この番組、改めてゴールデンタイムで放送してほしいな。観た人は東電に対しての見方も変わるだろう。そして福島の現実を多くの人たちに知ってもらいたい。
今日、後輩から驚くべきことを聞いてしまった。後輩はずっと東京のど真ん中で、誰に言われたのでもなく放射能の測定を自分の所有する機械でしているのだが、都心の高層ビルやマンションの屋上は、福島で放射濃度がいちばん高いとされる
飯舘村よりも恐ろしく高い数値だそうだ。それなのに、そこに住んでいる一部の人たちは福島に対して偏見を持ち、差別しているのはおかしな話だと怒りを込めて後輩は言う。ベランダで家庭菜園をするのが流行っているが、それは福島県産の野菜よりずっとずっとはるかに危険だと。
神奈川のお茶が放射性物質を検知されたとニュースでやってたけど、都心がそんな状態なら飛んできてもおかしくないよね。福島県全体が汚染されているという誤解を何とかして解きたいな。切実に思う。
拍手ありがとうございます
チャンに会いたい。
会いたいよーーーーーーっ
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