一次創作SS「トランクケースは答えない」

「ああマリア、こんなに大きな街に出かけるのなんて久しぶりだねぇ! 御覧、人がこんなにいるよ! どうやら今日はお祭りのようだね。村のお祭りよりも活気があって、賑やかで、みんながこんなに楽しそうにしている。ああ! いい日だ! だけどごめんよマリア、先にパパの用事を済ませなくちゃいけないんだ。わざわざ都会に出向かないと手に入らない素材がどうしても必要だからね。これはマリアのためでもあるんだ、賢いマリアはわかってくれるね? そうだね、パパの用事が済んだら一緒にお祭りを見て回ろう。あっちには曲芸師もいるみたいだよ。楽しみだねぇ!」

 雑踏の中、男は愉快そうに笑った。大きめのトランクケースを片手にのそのそと歩く、ボロ切れのようなローブを着た男だ。枯木のような体、頭髪は白く、髭もまばらで、眼窩は濁り、顔のあちこちに染みがあり、目元には深い皺が刻まれている。一見するとただの老人に見えるが、濁った眼差しは炯々とした光を湛えていた。希望に満ちた眼差しだった。自らの希望は他者の絶望の上に成り立つと信じ切っている眼差しだった。
 人波を掻き分け男は進む。その間にも男のお喋りは止まらない。すれ違う者達は時折うるさそうに男を見るが、彼らには彼らの用事があり、そのため、男に対してそれ以上の関心を抱くことはなかった。
 だから誰もその異様さに気付かない。
 男はひっきりなしにトランクケースに向かって語りかけていた。

『左門くんはサモナー 六巻』

沼駿


何故かおそ松さんのコラボした漫画も収録。


にわかにラブコメめいてきました第六巻。

ラブコメ、いいですね。個人的に第一話から左門くんと天使ヶ原さんのラブコメを期待していたのでこの路線は大歓迎です。
ギャグやバトルではなくラブコメ。よろしくお願いします。

彼氏彼女ではないと否定する二人→いえ彼女って別の人を指していたんですけど…の流れが最高でした。
さりげなく株を上げていく九頭龍くんも素敵ですし、その発言には同意しか出来ません。気付けば九頭龍くんはいいポジションに落ち着いていました。

その他。

忘れがちですがアンリさんは悪神。すっかりマスコット枠と化している気もしますが現段階で間違いなく作中最強キャラです。
一見するととても人間くさい性格なのに、ふとした瞬間に人間との思考の断絶を感じずにはいられません。

それから、ついに赤き竜の六柱が全員揃いました。一同に会することはあるのでしょうか。
高位の悪魔な面々ですが、皆人間みたいな性格に見えます。しかしアンリさんのエピソードのおかげで、アンリさん同様人間とは根本で交わらない価値観を持っているのだろうと想像に難くないです。


漫画の内容は個人的に当たり外れがあるのですが、作者の質問コーナーやキャラクターへのコメントの方が読み応えがあって面白いです。

桜=サークルクラッシャーは目から鱗。天使ヶ原さんを黙示録の天使イメージな荒々しい存在として設定する作者のセンスが大好きです。
いつか天使ヶ原さんが地上を黙示録の業火で焼かないかと夢見ています。

ふと、小鳥ちゃんのエピソードは、おそらく作者さんが本来描きたい要素なのではないかと思いました。

創作メモ ヘリオスの友人関係

少し前のバトンでヘリオスとテロルを会話させましたが、あの二人の関係がようやく言語化出来そうなので書いてみます。

当人らの自覚は友人関係。基本的に世話焼きのツッコミ担当が共通点。
でもお互いに、テロルはヘリオスの一歩引いたところが、ヘリオスはテロルの傲慢なところが理解も共感も出来ないと思っています。だからお互いにこいつとは無理、となってしまいます。間に誰か入れば大丈夫。
それはそれとして、お互いの性格と能力には信頼しかないから当たり前のように背中を預けることが出来ます。

当然のように恋愛感情は介在しないです。念のため。


ところでヘリオスの同性の友人としてハッシュやジンクがいるのですが、ジンクが喋らないからハッシュがコメディリリーフをしてひたすらヘリオスがツッコミを入れる、そんな会話を繰り広げていそうです。

なんだか三人で飲んだらこうなりそう。
ハッシュ「いやぁプラチナほんと可愛いしキレイだし気配り上手で料理も美味いしちょっと見栄っ張りなところもあるけどそこがまた良いし嫁かよ。結婚したい。早く結婚したい。資金貯めなきゃ……」
ヘリオス「おい酔っ払い、何度目だこの話題」
ハッシュ「おれにはほんと勿体無いひとだよほんと」
ヘリオス「いかん、デヘデヘ言い出した……」
ジンク(黙々と飲み食いし時折相槌)

プラチナ「当人の眼前でそういうこと言うの止めません?」
ヘリオス「すまぬな。こいつお前が動揺する姿を見るのが大好きなんだ」
ハッシュ「照れるプラチナほんと可愛いしキレイだし」
ヘリオス「いかん、この酔っ払いめ。台詞ループ入りよった」
ジンク(黙々と飲み食い)

フランの前では大人として振る舞っていますが、ヘリオスは友人の前では年齢相応の普通の青年に戻るんですね。

ちおり

水無瀬千織


物理的にありえないお下げの動き。見栄え重視です。

ショック

いつもの文具店が、今年はいつものスケジュール帳を入荷していませんでした。例年なら年末まで売られていたのにです。
どこを探そうか困ります。

学研さんのスケジュール帳です。個人的にとても使いやすいので、他のスケジュール帳で妥協したくはないですね。

カレンダー
<< 2016年11月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
アーカイブ