トマト、タバコ、バニラ、カカオ、コーヒー…アメリカ大陸原産のあれこれはなんとなく作中で使いにくいと感じてしまいます。架空の世界なのですから、別にそんなこと気にしなくてもいいのですが…。

かのトールキンは、自身の著作に「パイプ草」というパイプに似たアイテムを登場させ、キャラクターの感情表現のために活用しました。それは彼が喫煙者だったからというのもあったのでしょう。
「この場面ではパイプを燻らせないと!」みたいなこだわりがあったのかもしれません。

ともかく、個人的な考え方としては「ファンタジーはヨーロッパである必要も無いですし、中世である必要もないですし、だからチョコレートやコーヒーという嗜好品を登場させても良い」と思っています。
(でもパイプや煙管はともかく紙巻煙草は時代が下ったイメージがありますね)


閑話休題。

実はですね。拙宅のオリキャラの一人、ミーナの髪を「チョコレートブラウン」と設定してしまって悩んでいます。
あの世界にチョコレートは存在するのか…それを考えていなかったからです。

…ふと思いつきました。こういうのはどうでしょう。
「チョコレートの木」(※カカオの木ではない)という植物の樹液は甘く、そのまま飲んだり樹液を加工して固形にし、保存食やらに利用している…とか。ミーナの髪はその幹の色に似ているとか。

うーむ、ファンタジーならもう少し理屈を飛ばしてもいいかもしれませんねー。何しろ「魔法」が存在するのですから。


そうそう、タバコに関しては、自分が喫煙者ではないため、小道具として扱えるかどうかという別の問題が発生します。
個人的イメージでは、クロムあたりには水煙草が似合いそうですが、マイトやフォルカーは紙巻煙草しか考えられないんですよね。現代パラレルになってしまいますね。
しかもマイトは缶ピース(メジャー煙草の中では最高レベルのニコチンとタールを含有する煙草。缶入りだと風味が良い)、甘いもの好きなフォルカーはキャスターマイルド(甘く香るバニラ風味の煙草)を吸いそうなイメージです。
マイトが喫煙する理由はただひとつ。人間の模倣です。…いやいや待て待て、現代パラレルでもマイトはアンドロイドなのでしょうか。しかしロボットが人間らしくするために嗜好品を口にするシチュエーションには抗い難い魅力を感じます。
ビルの屋上から光化学スモッグの空にすっぱ――――と吐息して「人工臓器が有害物質の濾過にフル稼働してるー」とか言ってフォルカーに呆れられて欲しいです。あれれ『オイレンシュピーゲル』一話冒頭シーンになってしまいました。

(そういえば『封仙娘娘追宝録』にも普通に煙管が登場してましたねー。モデルになった時代を考えるとオーパーツになるのですが、あまりにも自然でしたので気付きませんでした)
(そもそもあの作品世界はあくまでも「中華風味の異世界」であり、料理やらなんやらは「その世界らしさ」があったので気にならなかったのでしょうね)