「どーするスガ、大晦日のこと」
「まあ、ちゃんとこういう事情があってって話さなきゃいけないだろ。ちゃんと話せばわかってくれる人だから、必要なのは俺たちの誠意だ」

 ようやくみんなの仕事や部活が落ち着いて活動が波に乗り始めたゲーム実況集団SDX。今年もあと1ヶ月ということで、今後の予定を立てるついでにちょっと遊ぶ会議というのがプロさん宅で開かれることになっていた。
 最初はいつものように軽い感じなんだろうなって思ってたけど、いざ当日を迎えてみれば俺とカンの間で行われるのは深刻な話し合い。俺とカンには「今後の予定を立てる」というSDXの会議にも響いてくるであろう事情が降りかかっていた。
 インターホンを押して、プロさんの返事を待つ。いらっしゃいと迎え入れられれば、いつものようにお邪魔をするだけだけど。どこか落ち着かない。プロさんとソルさんに何て言おうか。そんなことがずっと渦巻いていて。