「じゃーん。どう?」
「いいですね、占い師の雰囲気が出てますよ」
「そうでしょ。不思議と落ち着くよねこのローブ」

 夏に知り合ったあの子とは、今でも付き合いが続いていた。それどころか、今では俺の家で食事療法の手伝いをしてくれるまでになっていて、何かちょっとずつ仲良くなりつつあった。互いの素性はあまりわかってないままだけど、これはこれで楽しいなって。
 今は、俺が学祭の占いの館で着るローブを披露しているところ。自分でも似合ってると思ってたから、さとちゃんにも見て欲しくて。黒のサテン生地で作られた占い師のローブ。フードをかぶれば人相も隠せてそれらしい。こういうの大好きだよね。