どうしてこうなった。俺はただいつものように飯を食いながら駄弁って飲むだけのつもりだったのに。気がつけば、あれよあれよと担がれて台所に立っている。それも、間取りが同じと言え人の部屋の台所だ。

「高ピーがご飯作ってくれるとかすげーレアだ、よく味わって食べないと」
「高崎クンの料理か〜、楽しみでしょでしょ〜」
「高崎先輩て俺と何かするときはなんっもしないっすからね! これは本当に貴重っすよ」
「Lてめェ、はっ倒すぞ」

 いつものようにLの部屋にビールと適当な食料を持って乗り込んだら、伊東と山口がいやがった。メンツ的にIFサッカー部とかいう都市伝説的な派生サークルだろう。そこまではいい。
 飲むならつまみが必要だ。このメンツなら普通に考えて料理をするのは伊東だろう。次点で家主のL、それがダメでも居酒屋バイトの山口がいるのにどうして俺が台所に立っているのかと。