公式学年+2年

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「あー……何やってんだろ俺」
「まあ、完全に不審がられてるじゃん?」
「ですよねー」

 昼も夜もないスタジオのさらに奥。分厚い鉄の防音扉の向こうの録音スタジオにこもる。その勢いで黒いベンチシートに寝転び、外と遮断された空間で始まる自己嫌悪。俺を見下ろす鵠さんも呆れ顔だ。

「お前、最近あからさまに千葉ちゃんのこと避けてるよな」
「だって」
「だってもへちまもあるか」
「だって」